普及版 字通 「震(漢字)」の読み・字形・画数・意味
震
常用漢字 15画
[字訓] かみなり・ふるえる・おどろく
[説文解字]
[字形] 形声
声符は辰(しん)。辰は振動の意がある。〔説文〕十一下に「劈(へきれき)、物を振はすなり」とあり、劈歴は霹靂、電光を発するときの音で、わが国でいう「はたたかみ」にあたる。重文として録する籀文(ちゆうぶん)の字形には、両火を加えており、〔春秋経、僖十五年〕「夷伯のに震す」とは、雷火にうたれることをいう。〔詩、大雅、常武〕に「雷の如く霆(てい)の如し 徐方、震す」と武威にたとえる。卜文に「(こ)の邑に(しん)すること(な)きか」「今夕、(し)(師)はすることきか」とは、軍の震驚することをいう。夜間に、故なく軍衆が震驚することがあったのであろう。辰は蜃。蜃肉を予兆に用いることがあった。
[訓義]
1. かみなり、かみなりがとどろく、電光がはためく。
2. ふるう、ふるえる、はげしくふるう。
3. おどろく、おののく。
4. 勢いがはげしい、いかる、おごる。
5. 地がふるう。
6. 娠と通じ、はらむ。
7. 易卦、東にあたる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕震 オゴク・ウゴク・オソロシ・フルフ・ヒムカシ・オトス/震動 フルヒウゴク/地震 ナヰ 〔字鏡集〕震 オソロシ・ヒムカシ・ウゴカス・ヲトス・フルフ・ヒガシ・オクル・ヲトメ・ノノシル・カシコマル・ウゴク・ヲカス
[語系]
震・振・娠tjinは同声。蜃を用いて卜し、また魂振りの儀礼をした。娠は身sjienと通じ、身は妊娠の象形字、娠はその形声字とみてよい。
[熟語]
震威▶・震恚▶・震畏▶・震隠▶・震▶・震赫▶・震撼▶・震汗▶・震悸▶・震宮▶・震恐▶・震矜▶・震響▶・震驚▶・震懼▶・震眩▶・震惶▶・震慙▶・震▶・震夙▶・震粛▶・震悚▶・震竦▶・震懾▶・震▶・震慴▶・震▶・震震▶・震声▶・震怛▶・震旦▶・震澹▶・震霆▶・震天▶・震電▶・震怒▶・震▶・震騰▶・震悼▶・震盪▶・震動▶・震怖▶・震風▶・震服▶・震方▶・震曜▶・震雷▶・震慄▶・震栗▶・震裂▶
[下接語]
威震・畏震・遠震・震・強震・響震・驚震・懼震・軽震・劇震・激震・地震・弱震・声震・勢震・大震・耐震・中震・霆震・天震・怒震・微震・奮震・余震・雷震・烈震
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報