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しもfrost

翻訳|frost

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


しも
frost

大気中の水蒸気が凍って(昇華して)地表面や地物にできる針状,うろこ状,羽毛状,扇状などの氷の結晶。霜はの発生と同様,地表面が冷却することででき,その付近の温度が 0℃以下のときに霜となる。このとき気温は地表から 1.5mの高さではかっているため,気温が 3~4℃でも,地表面付近は 0℃以下となり霜ができる場合がある。木の枝や地表より高いところにできる霜を樹霜といい,窓ガラスの内側にできる霜を窓霜(霜華)という。霜が発生すると植物の葉などの細胞が凍結や低温で損傷しやすいため,農作物は被害(霜害)を受ける。

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デジタル大辞泉の解説

しも【霜】

氷点下に冷却した地面や地上の物体に、空気中の水蒸気が触れて昇華してできる氷の結晶。風の弱い、晴れた夜にできやすい。 冬》「―のふる夜を菅笠のゆくへ哉/竜之介
使用中の電気冷蔵庫の内側に付着する細かい氷。
白髪をたとえていう語。「頭髪にを交える」

そう【霜】[漢字項目]

常用漢字] [音]ソウ(サウ)(漢) [訓]しも
〈ソウ〉
しも。「霜害降霜晩霜
としつき。「星霜
白いもの、冷たいもの、厳しいものなどのたとえ。「霜鬢(そうびん)秋霜風霜
〈しも(じも)〉「霜柱露霜初霜

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百科事典マイペディアの解説

霜【しも】

氷点下に冷却した地物に,水蒸気が昇華してできた氷の結晶。ふつう針状,板状,コップ状,柱状など雪の結晶に似た形をとるが,気温が0℃に近いときは,無定形となる。よく晴れた夜に地物がさかんに放射冷却し,周囲の空気が飽和に達するためにできる。
→関連項目夜間放射

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世界大百科事典 第2版の解説

しも【霜 frost】

冬季の晴天で無風の夜など,放射冷却によって冷やされた大気中の水蒸気が地面や地物の表面に昇華してできた氷の結晶で,うろこ状,針状,羽毛状,扇状などの形をしている。盆地などに発生した霧が,地物に付着したり,また露ができてから凍結した氷も含めて霜ということもある。一般に地上気温とは,地上1.5mの高さの気温を指していうので,地表面では接地逆転によってそれより数℃低いのが普通である。地上気温が2~3℃でも霜が降りるのは地表気温がさらに低いことによる。

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大辞林 第三版の解説

しも【霜】

空気中の水蒸気が地面もしくは地上の物体の表面に氷の結晶として凝結したもの。 [季] 冬。 「 -が降りる(置く・降る)」
白髪を比喩的にいう語。 「頭かしらに-をいただく」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


しも

冬の早朝などに地面や草の葉の表面に付着する氷の結晶。地物などの表面が放射冷却などによって冷え、その上に空気中の水蒸気が直接に昇華してできる。水蒸気がいったん地物に凝結して露になり、その露が冷えて凍結したものを凍露(とうろ)とよぶ。これは、露という水の状態をいったん通って氷になったもので、水蒸気が直接に昇華してできたものではないが、見分けがむずかしい場合にはこれも霜とよぶ。
 霜が降るなどというが、霜は空中を降ってくるのではなく、目に見えない空気中の水蒸気が地物の上につくりだす氷である。霜は屋外の地物の表面だけではなく、積雪のすきまや、雪に覆われた小屋の内部などでもできる。このような霜を内部霜または雪中霜とよぶ。室内の空気中の水蒸気が冷えた窓ガラスに昇華したり、窓ガラスについた露が凍結したりしてできる霜(または凍露)を窓霜とよぶ。洗面所や便所などの窓によくできる。[大田正次]

霜の形

霜の形は雪の結晶と同じく六方晶系である。代表的なものには針状、羽毛状、樹枝状、板状、柱状、コップ状などがあるが、形のはっきりしない無定形のものが多い。同じ町や村の中でも、場所によって霜のできやすい所がある。夜間冷えた空気は、ちょうど谷間を水が流れるように低いほうへ流れる。このような場所では霜ができやすく、霜道(しもみち)とよばれる。また凹地ではちょうど水がたまるように冷えた空気がたまりやすい。これを霜穴(しもあな)という。[大田正次]

霜の季節

初霜(はつしも)は秋から冬にかけてその年に初めて発生する霜で、初霜の日を「霜の初日」という。霜の初日は一般に内陸では早く、沿岸では遅い。平年値でみると、北海道では10月、関東地方では11月、九州地方では11月の後半である。終霜(しゅうそう)は春におこるその年の最後の霜で、一般に内陸では遅く、沿岸では早い。平年値でみると、北海道では5月、関東地方では3~4月、九州地方では3月である。初霜も終霜も年によってかなり平年値と異なる。たとえば東京では、初霜の平年値は11月27日であるが、もっとも早い年には10月21日であった。また終霜では平年値は3月20日であるが、もっとも遅い年では5月16日であった。なお春先の晩霜(おそじも)については「八十八夜の別れ霜(または忘れ霜)」という言い伝えがあり、立春を過ぎて88日目、すなわち5月2、3日ごろまでは晩霜のおそれがあるから注意することという、農作業上の目安となっている。[大田正次]

霜の害

霜ができやすい場所では農作物が被害を受けることがある。これを霜害(そうがい)または凍霜害という。被害の程度は農作物の種類やその発育期によっていろいろである。発育期についてみると生育開始期(春)あるいは成熟期(秋)におこる。春の霜害を晩霜害、秋の霜害を初霜害などという。霜害は一夜にして広い地域に災害をもたらすので、経済的にも大きい損失を与えることがある。たとえば、1964年(昭和39)4月28~30日に発生した、宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、山梨、長野など各県の霜害では、被害面積は桑畑約2万ヘクタール、果樹園約1万5000ヘクタール、麦畑約1万ヘクタールなどとなっている。霜道や霜穴ではとくに霜害が激しいことはいうまでもない。これに対して霜害がおこらない地域もある。たとえば山の中腹、南向きの斜面、海や湖の近くなどはその例で、このような場所を無霜害地帯ともよんでいる。
 霜害防止にはさまざまな対策がある。送風法や燻煙(くんえん)法などはその一例である。送風法は、大型の扇風機を高さ10メートルくらいのポール上に下向きに取り付け、果樹園などに多数配置する。最寄りの気象台から霜注意が出た場合には、夜半から早朝にかけて扇風機を動かし、ポール上付近の比較的暖かい空気を地面に向けて送り、地面付近の冷たい空気と混合させて、気温の低下を防ぐ仕組みである。[大田正次]

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