青山峠(読み)あおやまとうげ

日本歴史地名大系 「青山峠」の解説

青山峠
あおやまとうげ

阿保越参宮道の伊賀・伊勢の国境にあり、青峠ともよばれた。伊勢地いせじ宿から垣内かいと宿(現一志郡白山町)まで布引ぬのびき山地を横断する青山三里はこの道中最大の難所であった。阿保越は平安時代に開かれたという。開通後、伊勢の斎王退下はここを通ったと考えられ、国境で行う堺祭の祭場は青山峠付近であったと思われる。「江家次第」の斎王帰京次第に「三日(中略)到伊賀堺屋、神祇官奉仕堺祭(中略)、伊賀堺以後国司調備、着阿保頓宮」とある。「三国地志」は伊賀堺屋を「按、今伊勢地村ト勢州垣内村ノ堺、山上地名御屋鋪峯、地本国ニ隷ク、俗是ヲ堺目ノ城トモ云、即是ナリ」としている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

百科事典マイペディア 「青山峠」の意味・わかりやすい解説

青山峠【あおやまとうげ】

三重県中北部,布引山地にある峠。青峠とも。標高約500m。初瀬街道通じ大和からの伊勢参宮に利用され,西麓の伊勢地(青山町(現・伊賀市))に宿場があった。峠の両側には茶屋が置かれており,本居宣長の《菅笠日記》に峠越のようすが記される。国道165号が通じ,近鉄大阪線がトンネルで通過する。付近はハイキング適地で,室生赤目青山国定公園に属する。
→関連項目青山[町]白山[町]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「青山峠」の意味・わかりやすい解説

青山峠
あおやまとうげ

三重県中西部,伊賀市津市の境にある峠。布引山地を越えて伊勢平野中部と上野盆地南部を結ぶ初瀬街道 (国道 165号線) 上に位置する。 1972年峠の下を通る青山トンネル (標高 469m) が開通。峠付近から青山高原を縦走する青山高原道路が分岐し,東海自然歩道とも交差している。

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