青方(読み)あおかた

精選版 日本国語大辞典 「青方」の意味・読み・例文・類語

あおかた あをかた【青方】

姓氏の一つ。長崎県五島列島中通島本拠とした平安期以来の豪族。藤原姓を称す。文献上は、藤原尋覚(じんかく)なる人物が母方の清原是包(これかね)から小値賀(おじか)浦部の両島を譲与され、尋覚二男の家高が青方を名のったことに始まるという。鎌倉幕府成立後、尋覚は小値賀島地頭職に補任され、御家人に連なる。鎌倉期には一族内外において所職所領をめぐって相論を繰り返すが、南北朝期になると、肥前国松浦地方の松浦一族の宇久・有河氏らと一揆を結び、いわゆる松浦党一翼を担う。江戸時代は、福江藩家老職。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「青方」の意味・わかりやすい解説

青方
あおかた

長崎県南松浦(みなみまつうら)郡新上五島町(しんかみごとうちょう)の一地区。旧青方町。古くは遣唐使船寄泊地、中世は松浦党(まつらとう)に加盟した青方氏根拠地で、『青方文書』が有名。青方湾は五島列島最大の避難港湾内に洋上石油備蓄施設がある。博多(はかた)―福江(ふくえ)間のフェリーが寄港する。

[石井泰義]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「青方」の意味・わかりやすい解説

青方
あおかた

長崎県,五島列島北東部,中通島西岸にある新上五島町上五島地区の中心集落。旧町名。 1956年浜ノ浦村と合体して上五島町,2004年新上五島町となる。青方港祝言島,折島に囲まれた良港で,沖合い漁船の避難港および地元揚繰網漁業の基地。博多から福江にいたる定期航路の寄港地でもある。青方家に伝わる青方文書は近世史の貴重な史料。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の青方の言及

【上五島[町]】より

…長崎県南松浦郡の町。1956年青方町と浜ノ浦村が合体,改称。人口8129(1995)。…

※「青方」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android