音響兵器(読み)おんきょうへいき(英語表記)acoustic weapon and equipment

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

音響兵器
おんきょうへいき
acoustic weapon and equipment

音響を利用する兵器または装置。航空機が低速であった時代には,対空用として空中聴音器が使用されたが,超音速機の出現した現在では使用されない。今日では水中地中での探知,通信装置およびそれらを利用した魚雷,機雷などが実用化されている。通信装置としては,近距離の水中通信に利用され,探知装置としては,ソーナーとして,目標の音源を探知するパッシブ・ソーナー,みずから音波を発射して目標からの反響音を測定するアクティブ・ソーナーがある。またこれらの装置を利用して目標に命中しようとする音響ホーミング魚雷,艦船の推進器音に感応して起爆する音響機雷などがある。音波の水中における伝播は複雑で,電波伝播のように明確ではないので,音響兵器の性能も不安定である。しかし電波は水中,特に海中で減衰がはなはだしく,磁気はきわめて近距離に影響を及ぼすにすぎないので,音響兵器は水中における主要な兵器となっている。陸上でも地中またはジャングル内などで奇襲防止のため警戒装置として利用される場合がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

音響兵器
おんきょうへいき

音波の伝導と反響特性を利用した兵器。とくに海中は電波を通しにくいので、ASW(対潜水艦戦)が重要さを増すにつれて、音響兵器の性能が捜索・探知用としての決定的要素となった。大別して次の2種類がある。
(1)発振器によって自ら音波・超音波を発射し、目標からの反響音を得て、距離、方位をつかむ方法(アクティブソナー)。
(2)目標物が放射する音波を受ける方式(パッシブソナー)。
 (1)はおもに水上艦艇で用いられ、(2)は自艦の所在を知られたくない潜水艦や、海峡などに設置される監視システムに使われる。
 音波は電波とは異なり潮流、塩分濃度、海底の形状などの影響を受けるので、捜索能力は季節と海域と水層により均一でない。そこで送受波器を任意の深度まで降ろせるVDS(可変深度ソナー)が開発された。また魚雷や機雷の感応装置としても利用され、自動追尾魚雷の頭部には音響追跡装置が組み込まれている。[前田哲男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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