日本大百科全書(ニッポニカ) 「須佐」の意味・わかりやすい解説
須佐
すさ
山口県北東部、阿武郡(あぶぐん)にあった旧町名(須佐町(ちょう))。現在は萩市(はぎし)の北部を占める地域。島根県に接する。旧須佐町は、1924年(大正13)町制施行。1955年(昭和30)田万(たま)川上流の山間農村の弥富(やどみ)を合併。2005年(平成17)萩市と合併。JR山陰本線、国道191号、315号が通じる。旧町時代は役場が置かれ、現在は萩市須佐総合事務所のある須佐は、日本海に臨む須佐湾頭に立地するイカ一本釣り漁業の盛んな漁業の町。近世には長州藩家老益田(ますだ)氏の領地で、石州街道に沿う市場町でもあった。須佐湾は北長門(きたながと)海岸国定公園の一中心をなし、ホルンフェルス大断層、畳岩や屏風(びょうぶ)岩などの海食景観がみられる。犬鳴(いぬなき)山北麓(ろく)の唐津(からつ)には須佐青磁を産した近世の民窯跡がある。
[三浦 肇]
『『須佐町誌』(1993・須佐町)』