須菩提(読み)しゅぼだい

  • すぼだい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

インドのサンスクリット語 Subhūtiの音写。釈尊十大弟子の一人。善現などと訳される。初期の文献によると,シュラーバスティー (舎衛城) に生まれ,父をスマナ Sumanaという。なおスマナの兄が,釈尊に祇園精舎寄進したアナータピンディカ Anāthapiṇḍika (孤独長者〈ぎっこどくちょうじゃ〉) という資産家であるという (→スダッタ ) 。祇園精舎の寄進とともに,釈尊の説法に感じてその弟子となったといい,争うことがない点で第一であったとする。また,空の思想を説く般若経典に,釈尊の対話者として多く現れ,空思想の最もすぐれた理解者であったともされる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

仏陀(ぶっだ)(釈迦(しゃか))の十大弟子の一人。サンスクリット語スブーティSubhtiの音写。中インドの舎衛国(シュラーバスティー)の出身。ひたすら修行に励み、他と争うことがなかったところから無諍(むじょう)第一と称せられる。原始経典にもしばしば登場するが、後の大乗経典、とくにその初期の『般若経(はんにゃきょう)』には、仏説を誘導するもっとも重要な役割を果たしており、『般若経』の中心思想である空・般若波羅蜜(はらみつ)・菩薩(ぼさつ)などの思想や実践をめぐって、そこに登場する仏と問答を交わし、その解説にあたるなど、ひとり盛んに活躍して、『般若経』ひいては大乗仏教を導き出す中心人物として描かれている。[三枝充悳]

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精選版 日本国語大辞典の解説

(Subhūti の音訳。善吉、善現などと訳す) 釈迦十大弟子の一人。人とあらそうことがなかったので無諍第一といわれ、空(くう)の理解が深かったので解空第一といわれた。般若系経典では、釈尊の相手として登場する。
※今昔(1120頃か)二「仏の御弟子、湏菩提・目連・阿難等、毎日に来て食を与へむと為れども」

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世界大百科事典内の須菩提の言及

【金剛般若経】より

…本経の成立に関しては,他の般若経典に先立って成立したとする説と,他の般若経典に遅れてその要約として作られたとする説がある。内容は,祇園精舎における仏と須菩提(しゆぼだい)(スブーティSubhūti)の対話という形式で,般若思想の根幹を簡潔に説く。本経には〈空〉という術語は用いられていないが,その思想は〈空〉の思想といってよく,原始仏教以来追求されてきた種々の宗教的価値が固定化され,執着されることを否定し,否定を通して,より高い次元に宗教的価値を実現しようとしている。…

【十大弟子】より

…釈迦の死後その教団を統率し,500人の仲間とともに釈迦の教法を編集し(第一結集),付法蔵(教えの奥義を直伝すること)の第一祖となった。(4)須菩提(しゆぼだい) サンスクリット語でスブーティSubhūti。解空第一。…

※「須菩提」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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