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中国の文体の一つ。詩文、書籍、碑帖(ひじょう)、書画などにつける「題辞跋文」のことで「表題奥書(おくがき)」ともいう。元来、冒頭に題(しる)すことばを「題辞」、後尾につけることばを「跋文」(「跋」あるいは「書後」)とよんだ。漢の趙岐(ちょうぎ)の「孟子(もうし)題辞」は「孟子」の成立、由来、主旨などを記し、「序」(端書き)に似た文体となっている。「題辞」が冒頭、「跋文」が後尾という区別はかならずしも固定せず、後尾につけることばを「題跋書後」あるいは単に「題跋」とする用例がむしろ多い。宋(そう)代以後、欧陽修(おうようしゅう)、蘇軾(そしょく)、黄庭堅(こうていけん)らによって盛んにつくられるようになった文体で、石碑の上部や書物の初めに題す文章が、ごく短い語句になった場合、「題」とよばれた。
[杉森正弥]
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