養老山地の東山腹、
養老山地は古く
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
孝子が山で酒の泉を発見したという伝説。元正(げんしょう)天皇のとき、美濃(みの)国(岐阜県)に貧しい父子が住んでいた。老父はことのほか酒を愛し、しきりに欲しがった。あるとき、孝子が山で足をとられて転んだところ、その石の間から泉が湧(わ)き出ていた。なめると酒なので、それをくみ、老父を養い喜ばせた。この話を聞いた天皇は、当地に行幸され、孝心にめでて孝子を美濃守(かみ)に任じ、養老の滝と命名し、年号を養老と改めた。この説話は『古今著聞集(ここんちょもんじゅう)』巻8、『十訓抄(じっきんしょう)』巻六にあり、謡曲『養老』にも脚色されている。現在の養老山には養老神社や養老寺があり、『養老寺縁起』では孝子の名を源丞内(げんじょうない)としている。これに類似する伝説は「子は清水」として全国に伝承され、親が飲むと酒で、子が飲むとただの水という型が多い。社寺にかならず泉があるように、泉はつねに信仰の対象であった。それが酒になったり孝子泉にかわるのも、霊泉に対する希少価値とその信仰や、その水から酒を醸したからである。
[渡邊昭五]
『『孝子泉の伝説』(『定本柳田国男集7』所収・1963・筑摩書房)』
岐阜県養老郡養老町にある滝。養老山地北部の東斜面にかかる滝で、養老町にある新旧二段の滝谷扇状地の中の浅い谷道を西へたどって進み、さらに扇頂部の急坂をあえぐように登りきると養老ノ滝に着く。滝の高さ約32メートル、幅約4メートル。養老ノ滝は県営養老公園の要(かなめ)であり、付近に、孝子源丞内(げんじょうない)が老父に孝養を尽くしたという伝説にゆかりの菊水泉(きくすいせん)や、元正(げんしょう)天皇行宮(あんぐう)跡、養老寺、養老神社などの名所旧跡がある。元正天皇は717年(霊亀3)この地に行幸し、美泉の瑞祥(ずいしょう)により年号を養老と改元した(『続日本紀(しょくにほんぎ)』)。1970年(昭和45)には揖斐関ヶ原養老国定公園(いびせきがはらようろうこくていこうえん)に指定され、桜と紅葉の名所としても観光客に親しまれている。
[上島正徳]
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出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
…奈良県の滝田神社の4月4日の祭りには,ネゴという川魚を供え,大和川の急流に放つという神事があるが,これは水神に対する祭りである。岐阜県の養老ノ滝の水は清浄で霊験があると信じられている。この水を飲むと病気が治るとも,老人が若返りするという言い伝えが残っている。…
※「養老の滝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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