デジタル大辞泉 「遠見」の意味・読み・例文・類語
とお‐み〔とほ‐〕【遠見】
2 高い所にのぼって遠方を見張ること。また、その人。
3 歌舞伎の大道具で、遠景を描いた背景。
4 歌舞伎の演出で、ある役の遠方での演技を見せるため、同じ
5 「遠見
[類語]望見・一望・観望・展望・遠望・望遠・望む
(1)歌舞伎の大道具用語で,背景に使われる〈書割(かきわり)〉のうち,とくに遠景を描いたもの。その様式にはいろいろあるが,古典歌舞伎に使われるものは,〈野遠見(のどおみ)〉〈山遠見〉〈海遠見〉〈庭遠見〉,町家を描いた〈町屋(まちや)遠見〉,神社を描いた〈宮遠見〉などに分類される。(2)歌舞伎の演出用語で,遠くに登場する人物をあらわすため,その人物と同じ扮装をした子役を登場させる技法。また,その役をいう。《一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)》の組打(くみうち)の熊谷と敦盛,《ひらかな盛衰記》の逆櫓(さかろ)の松右衛門と船頭などのほか,《恋飛脚大和往来(こいびきやくやまとおうらい)》の新口村(にのくちむら)の忠兵衛と梅川にもこの手法を使うことがある。
執筆者:松井 俊諭
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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