(読み)セン

デジタル大辞泉 「鮮」の意味・読み・例文・類語

せん【鮮】[漢字項目]

常用漢字] [音]セン(呉)(漢) [訓]あざやか すくない
取りたてで生きがよい。生生しい。「鮮魚鮮血新鮮生鮮
形・色がくっきりしている。あざやか。「鮮明鮮緑鮮烈
すくない。「鮮少
[名のり]あきら・き・まれ・よし

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精選版 日本国語大辞典 「鮮」の意味・読み・例文・類語

せん【鮮】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 若くして死ぬこと。わかじに。
    1. [初出の実例]「看吾両膝嘲弄、悼汝同胞共葬鮮」(出典菅家文草(900頃)二・夢阿満)
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐昭公五年〕
  3. ( 形動 ) 生き生きしていること。新鮮なさま。また、生肉
    1. [初出の実例]「海物に鮭魚の鮮なる、牡蠣の腴なるあり」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一)

あざら‐けき【鮮】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形容詞「あざらけし」の連体形名詞化。「あさらけき」とも ) 新しい魚。新鮮な魚。
    1. [初出の実例]「水中の鮮(アザラケキ)滅罪の益にあづかり」(出典:地蔵菩薩霊験記(16C後)七)

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普及版 字通 「鮮」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 17画

[字音] セン
[字訓] あたらしい・あざやか・すくない

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は羊(よう)。羊は(せん)の省略形。また魚にも(せん)の形があり、ともに腥臭の意。〔説文〕十一下に「魚の名なり。貉(はく)國に出づ。魚との省聲に從ふ」という。新鮮のものは、また腥臭のあるものである。鮮少の意は(せん)と音の通用する訓である。

[訓義]
1. なまうお、なまざかな、なまにく。
2. あたらしい、あざやか。
3. よい、うるわしい、いさぎよい。
4. と通じ、すくない、まれ。

[古辞書の訓]
名義抄〕鮮 ヨミス・ヨシ・アザヤカニ・アザヤカナリ・ウルワシ・アキラカニ・アザラケキ・アザラケシ・イヤシ・スクナシ・ホソミ・キラキラシ・キヨシ

[声系]
〔説文〕に鮮声として癬など二字を収め、未収の字は癬との連想によるものであろう。

[語系]
鮮・(尠)sianは同声。は匙(さじ)に容れること少なき意。尠は鍋より(く)むこと少なき意。

[熟語]
鮮衣・鮮羽・鮮雲・鮮栄・鮮・鮮花・鮮活・鮮希・鮮規・鮮輝・鮮魚・鮮血・鮮・鮮潔・鮮鮮肴鮮耗・鮮好・鮮彩鮮妝・鮮少鮮浄・鮮色・鮮食・鮮飾・鮮新・鮮盛鮮腥・鮮鮮腆・鮮白・鮮薄・鮮美鮮媚鮮肥鮮卑鮮膚・鮮服・鮮文・鮮・鮮明鮮茂・鮮麗鮮儷
[下接語]
殷鮮・嘉鮮・魚鮮・空鮮・紅鮮・香鮮・小鮮・新鮮・生鮮・晴鮮・腥鮮・精鮮・浅鮮・霜鮮・澄鮮鮮・肥鮮碧鮮・芳鮮・明鮮

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