(読み)コン

  • 鯀 Gǔn

百科事典マイペディアの解説

古代中国の洪水神。尭(ぎょう)の命で治水着手,上の息壌(ふえる土)を盗み洪水を防ごうとしたが9年で失敗,羽山で誅殺(ちゅうさつ)された。死体は3年腐らず,で腹をさくと(う)が生まれた。魚形,人面魚身で表されることが多い。

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世界大百科事典 第2版の解説

鯀とも書く。中国の神話にみえる洪水神。顓頊(せんぎよく)ののちとされるが,顓頊は〈死して蘇(よみがえ)る〉神,すなわち洪水神で,魚形の神であったらしい。鯀は治水に失敗して放逐され,その子である禹(う)が大洪水を治めて夏(か)王朝をひらいた。禹も顓頊と同じように,偏枯(へんこ)にして魚形の神とされる。これらは夏系諸族の伝える洪水神で,夏系の先史文化である彩陶土器の最も早期とされる西安半坡(はんぱ)遺跡出土の土器文様に魚形,人面魚身の多いことが注意される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

中国古代の神話上の人物。大昔、中国が大洪水に覆われた。そのとき鯀は、息壌(そくじょう)といって天の最高主権者である天帝の所蔵する、ほんの一つまみばらまくだけで無限に増えるとされた土を盗み出し、かってにそれを用いて洪水を治めようとした。このため怒った天帝は、祝融(しゅくゆう)に命じて鯀を殺させた。別の神話によれば、鯀は堯帝(ぎょうてい)に治水を命じられたが成功せず、そのため羽山(うざん)に追放されて死ぬが、治水事業はその後を受けた子の禹(う)によって完成されたという。また堯帝が舜(しゅん)に天下を譲ったとき、諸侯にしか任じられなかった鯀はこれを不満として背き、羽山で舜に殺されたという別の伝承もある。鯀の実体はかならずしも明らかではないが、魚偏を伴うその名前の字形や、誅殺(ちゅうさつ)されたとき羽淵(うえん)に入って玄魚(げんぎょ)となったという伝承などから、本来は東方部族が信奉していた水界と関係のある神霊で、のちに中原の神話体系に組み込まれて史実化されるなかで、以上のような伝承になったものといわれている。

[伊藤清司]

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精選版 日本国語大辞典の解説

中国古代の伝説上の人物。夏の禹王(うおう)の父。堯帝に命ぜられ、黄河の洪水を治めようとして失敗し、舜帝によって羽山に追放された。

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