(読み)カジカ

デジタル大辞泉 「鰍」の意味・読み・例文・類語

かじか【×鰍/杜魚】

カサゴ目カジカ科の淡水魚全長約15センチ。体はハゼに似るが、うろこがない。体色は暗灰色で、背面に5本の暗色横帯がある。主に本州九州分布し、水の清澄河川にすむ。美味。同科には、ヤマノカミカマキリなども含まれる。かわかじか。ごり。まごり。 秋》「いさり火に―や浪の下むせび/芭蕉

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精選版 日本国語大辞典 「鰍」の意味・読み・例文・類語

かじか【鰍・水馬・杜父魚】

  1. 〘 名詞 〙 カジカ科の淡水魚。全長五~一五センチメートル。体は細長く、頭は大きい。うろこはなく、体色は暗褐色で、褐色の雲形模様がある。胸びれ軟条全部が不分枝。本州、四国、九州西部に分布。水が澄み、底が小石の川にすむ。食用にされ、美味。まごり。おごり。《 季語・秋 》 〔新撰類聚往来(1492‐1521頃)〕
    1. [初出の実例]「いさり火にかじかや波の下むせび〈芭蕉〉」(出典:俳諧・卯辰集(1691)秋)

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普及版 字通 「鰍」の読み・字形・画数・意味


20画

(異体字)鰍
20画

[字音] シュウ(シウ)
[字訓] どじょう・うなぎ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(しゆう)。字はまた鰍に作り、秋(しゆう)声。〔説文十一下に「(しふ)なり」とあり、前条に「なり」とあって互訓、どじょうをいう。(うなぎ)は〔子、王制〕にその名がみえ、すでに重要な栄養源であった。泥というように泥中にすむ。鰍はわが国では清流に住むかじか、またぶりの幼魚であるいなだ、あるいはうなぎの意に用いる。

[訓義]
1. どじょう。
2. 海はせみくじら。
3. わが国では、かじか、いなだ、うなぎなどの意に用いる。

[古辞書の訓]
名義抄 ナマヅ・ムナギ 〔字鏡集 ムナギ・ナヨシ

[熟語]

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動植物名よみかた辞典 普及版 「鰍」の解説

鰍 (ドジョウ)

学名Misgurnus anguillicaudatus
動物。ドジョウ科の淡水魚

鰍 (イナダ)

動物。アジ科の海水魚。ブリの別称

鰍 (カジカ)

動物。カジカ科の魚類の総称

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