鳥居強右衛門(読み)トリイスネエモン

デジタル大辞泉 「鳥居強右衛門」の意味・読み・例文・類語

とりい‐すねえもん〔とりゐすねヱモン〕【鳥居強右衛門】

[?~1575]戦国時代武士三河の人。名は勝商かつあき。三河長篠城主奥平信昌の家臣武田勝頼に囲まれた長篠城から脱出して徳川家康援軍を頼み、使命を果たしたが、帰途捕らえられ、援軍の来ることを大声城内に告げたため磔刑たっけいに処された。

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精選版 日本国語大辞典 「鳥居強右衛門」の意味・読み・例文・類語

とりい‐すねえもん【鳥居強右衛門】

  1. 安土桃山時代の武士。名は勝商(かつあき)。三河長篠城主奥平貞昌の家臣。天正三年(一五七五)武田勝頼が長篠城を包囲した際、城を脱出して密使として家康に援助を請うた。帰途武田方に捕えられ、城門で援軍の来ることを告げたため、磔刑に処せられた。天正三年(一五七五)没。

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改訂新版 世界大百科事典 「鳥居強右衛門」の意味・わかりやすい解説

鳥居強右衛門 (とりいすねえもん)
生没年:?-1575(天正3)

戦国末期の武士。名は勝商(かつあき)(?)。三河国長篠城主奥平信昌の臣で,長篠の戦の際,長篠城が武田勝頼の大軍に包囲されると,救援依頼の使者となり脱出に成功したが,帰陣寸前で捕らえられた。武田方は強右衛門に,織田信長の援軍はなく城を明け渡すことを城兵に告げれば助命するとした。強右衛門は偽ってこれを承諾し,近日援軍のあることを知らせたため磔刑(たつけい)にされた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鳥居強右衛門」の意味・わかりやすい解説

鳥居強右衛門
とりいすねえもん
(?―1575)

戦国時代の武士。三河長篠(ながしの)城主奥平信昌(おくだいらのぶまさ)の臣。1575年(天正3)5月、長篠城が武田勝頼(かつより)に包囲されたとき、使となって城を脱出、岡崎に赴き徳川家康、織田信長に救援を求め快諾を得たが、帰途、城外で武田側に捕らえられた。武田方は強右衛門を城近くに連行し、城中に向かって、援軍はこないから降参せよというよう命じた。強右衛門は偽ってこれに従い、大声で、近く援軍がくるからもうしばらく辛抱せよと呼ばわった。そのため激怒した武田方のために磔(はりつけ)にされた。

岡本良一

『高柳光寿著『戦国戦記 長篠之戦』(1978・春秋社)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「鳥居強右衛門」の解説

鳥居強右衛門 とりい-すねえもん

?-1575 戦国-織豊時代の武士。
三河(愛知県)長篠(ながしの)城主奥平信昌(のぶまさ)の家臣。長篠の戦いで武田勝頼(かつより)軍に城をかこまれた際,脱出し徳川家康に救援をもとめる。帰途武田軍につかまり,城内に降伏をすすめるよう強要されたが,援軍がくることを大声で知らせたため,天正(てんしょう)3年5月16日磔(はりつけ)にされた。名は勝商(かつあき)。
格言など】わが君の命にかはる玉の緒をなにかいとひけん武士(もののふ)の道(辞世)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「鳥居強右衛門」の解説

鳥居強右衛門
とりいすねえもん

?~1575.5.-

戦国期の武将。一説に実名勝商(かつあき)。三河国長篠城主奥平信昌の家臣。1575年(天正3)長篠城が武田勝頼軍に包囲された際,援軍要請の密使として城を脱出。岡崎城に赴き徳川家康・織田信長から即時出陣の返事をえたが,帰城途中で武田軍に捕らえられた。武田軍は強右衛門を城近くに連行,援軍は来ないといわせようとした。彼は偽って承諾し,城中にむかって「援軍が到着する」と叫んだため,磔(はりつけ)にされた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鳥居強右衛門」の意味・わかりやすい解説

鳥居強右衛門
とりいすねえもん

[生]?
[没]天正3(1575).5.16. 長篠
戦国時代の武士。三河長篠城主奥平貞昌の家臣。名は一説に勝商。天正3 (1575) 年長篠城が武田勝頼に包囲された際,城を脱出し,徳川家康に救援を求め,帰途捕えられその場で磔殺されたが,城兵の士気を鼓舞した。 (→長篠の戦い )

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百科事典マイペディア 「鳥居強右衛門」の意味・わかりやすい解説

鳥居強右衛門【とりいすねえもん】

戦国時代の武士。名は勝商(かつあき)とされる。三河長篠城主奥平信昌の臣。1575年武田勝頼の大軍に長篠城が包囲された際,夜に城を脱出して徳川家康に援軍を要請。帰途捕らえられたが,敵を欺いて援軍のくることを城中に告げ,敵軍に磔(はりつけ)にされた。→長篠の戦

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デジタル大辞泉プラス 「鳥居強右衛門」の解説

鳥居強右衛門(すねえもん)

1942年公開の日本映画。監督:内田吐夢、原作:吉川英治、脚色:原健一郎、潤色:平田参作、平田参郎、撮影:伊佐山三郎。出演:小杉勇、水戸光子、志村喬、月形龍之介、東野英治郎ほか。

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