黒崎幸吉(読み)くろさきこうきち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒崎幸吉」の意味・わかりやすい解説

黒崎幸吉
くろさきこうきち
(1886―1970)

関西地方における無教会主義運動の指導者。内村鑑三(うちむらかんぞう)門下の一人。東京帝国大学在学中に藤井武(ふじいたけし)、塚本虎二(つかもととらじ)らと内村集会出席。会社勤務を経たのち、ヨーロッパ諸大学に学び、1925年(大正14)に帰国、以後文筆伝道活動に専念した。個人月刊誌『永遠の生命主筆語学と文献学的聖書研究に優れ、主著に『註解(ちゅうかい)新約聖書』『旧約聖書略解』などがある。

[金井新二 2018年3月19日]

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20世紀日本人名事典 「黒崎幸吉」の解説

黒崎 幸吉
クロサキ コウキチ

大正・昭和期のキリスト教伝導者



生年
明治19(1886)年5月2日

没年
昭和45(1970)年6月6日

出生地
山形県鶴岡

学歴〔年〕
東京帝国大学法学部政治学科〔明治44年〕卒

経歴
在学中、内村鑑三の門下に入る。住友総本社に入社。大正11年妻の死を契機に、住友製鋼所副支配人の職を辞して内村の助手となり、翌12年渡欧。A.ハルナックに師事、K.ハイムに傾倒。14年帰国。郷里鶴岡、のち阪神地方で無教会主義の伝道を行う。15年月刊誌「永遠の命」を創刊ヒトラーを批判して昭和15年発行を停止され、戦後復刊、文筆伝道活動に専念。また、文献学的聖書研究を行い、著書に「注解新約聖書」「新約聖書語句索引」など。「黒崎幸吉著作集」(全7巻)がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「黒崎幸吉」の意味・わかりやすい解説

黒崎幸吉 (くろさきこうきち)
生没年:1886-1970(明治19-昭和45)

無教会主義の伝道者。山形県鶴岡市に生まれ,第一高等学校を経て東京帝国大学法科大学に入学。このとき内村鑑三を知り,その門下生となる。卒業後住友総本社に勤務したが,10年後妻の死を契機に伝道を志して職を辞し,ドイツでの3年の勉学を終えたのち,これを実行した(1922)。最初は郷里鶴岡で,その後阪神地方で活躍して人望を得た。個人雑誌《永遠の生命》は1926年より40年続いた。《注解新約聖書》《旧約聖書略注》は日本のキリスト教界で幅広く読まれ長く用いられたものの一つ。そのほかルターの《ガラテヤ書注解》の翻訳がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黒崎幸吉」の意味・わかりやすい解説

黒崎幸吉
くろさきこうきち

[生]1886.5.2. 鶴岡
[没]1970.6.6.
キリスト教の伝道者。庄内藩 500石取りの士族の家に出生。第一高等学校を経て 1907年東京帝国大学法学部に入学。 09年柏会の一員として内村鑑三の聖書研究会に出席し,藤井武と親交。 11年大学卒業と同時に住友総本店に入社し,21年まで大阪,東京,別子などを転勤して,住友製鋼所副支配人を最後に退社。 21年2月上京して内村の伝道を助け,のちに独立伝道開始。 22年より3年間ドイツ留学。 26年月刊誌『永遠の生命』を発刊 (1966年 12月,第 423号で終刊) し,文書伝道を始める。 31年以来大阪に移り,黒崎聖書研究会を主宰した。著書は『黒崎幸吉著作集』 (7巻,72~73) にまとめられている。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「黒崎幸吉」の解説

黒崎幸吉 くろさき-こうきち

1886-1970 大正-昭和時代のキリスト教伝道者。
明治19年5月2日生まれ。東京帝大在学中に内村鑑三の聖書研究会に出席。大正10年妻の死を契機に伝道をこころざして会社を退職し,ヨーロッパに留学。関西を中心に伝道をおこなった。15年個人雑誌「永遠の生命」を創刊。昭和45年6月6日死去。84歳。山形県出身。著作に「註解新約聖書」「新約聖書語句索引」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「黒崎幸吉」の解説

黒崎 幸吉 (くろさき こうきち)

生年月日:1886年5月2日
大正時代;昭和時代のキリスト教伝導者
1970年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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