デジタル大辞泉
「諾」の意味・読み・例文・類語
う【▽諾】
[感]承諾の気持ちを表す語。うん。
「我も否とも―とも云う暇なく」〈鴎外訳・即興詩人〉
せ【▽諾】
[感]承諾の意を表す応答の語。はい。うん。
「否―とも言ひ放たれず憂きものは身を心ともせぬ世なりけり」〈後撰・恋五〉
お〔を〕【▽諾】
[感]承諾・応答の意を表す語。はい。
「こなたにと召せば、―と、いとけざやかに聞こえて」〈源・行幸〉
だく【諾】
承知すること。引き受けること。また、その語。「諾の返事を得る」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
お を【諾】
※
万葉(8C後)一六・三七九六「否も諾
(を)も欲しきまにまに赦
(ゆる)すべき貌
(かたち)は見ゆや
われも依りなむ」
※
源氏(1001‐14頃)行幸「こなたに、と召せば、を、といとけざやかに聞えて出で来たり」
だく‐・する【諾】
〘他サ変〙 だく・す 〘他サ変〙 承知してうけあう。承諾する。引き受ける。うべなう。
※文明本節用集(室町中)「子路無二宿諾(ダクスルコト)一〔顔淵編〕」
※
渋江抽斎(1916)〈
森鴎外〉五「飯田さんはそれをも快く諾
(ダク)した」
うめ‐な・う ‥なふ【諾】
※
書紀(720)継体二四年九月(前田本訓)「
陛下(すめらみこと)、
国命(おほむよごと)を成して朝
(みかど)に入
(まゐ)りて謝罪
(ウメナヒ)まうさむを待ちたまへ」
だく【諾】
〘名〙 応答すること。また、承知すること。
他人の
依頼をうけること。うけあうこと。うべなうこと。また、承諾の
言葉。〔
色葉字類抄(1177‐81)〕
※
御湯殿上日記‐大永八年(1528)八月七日「西園寺大納言相続事につきて文出さるる。諾おほせられにくき事なから也」 〔
論語‐陽貨〕
う【諾】
※信明集(970頃)「けふの内に否ともうともいひはてよ人頼めなる事なせられそ」
せ【諾】
〘感動〙 承諾の意を表わす応答の語。うん。
※書紀(720)仁賢六年九月(寛文版訓)「鹿父が曰はく、諾(セ)(〈別訓〉ムメナリ)」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報