歩行を開始したころに歩き方の異常として気づかれることが多い病気です。新生児期のO脚傾向は2歳までに急速に改善し、3~4歳には逆にX脚の傾向が出現します(図32)。この生理的X脚は就学頃には自然消失し、成人の下肢の形状になります。
専門医の診察を受ける必要があるのは、
①明らかな左右差のあるX脚
③2歳以前に発症したX脚
の3つです。これらの場合は病気の可能性があるので、血液検査と膝蓋骨正面の立位下肢X線検査を受けてください。
区別すべき疾患に骨系統(こつけいとう)疾患(先天性の骨の成長障害を呈する疾患群)、骨折、
3~4歳で前記の鑑別疾患を除外できれば自然回復を期待した経過観察でかまいません。基礎疾患があれば、該当する基礎疾患の治療を行います。装具治療は、骨系統疾患や、X線上で大腿骨と脛骨の骨軸のなす角度が165度以下の場合に考慮されますが、その有効性には疑問が残っています。10歳まで経過観察しても
川端 秀彦
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
膝(ひざ)を頂点として下肢が内方へ凸に彎曲(わんきょく)したものを外反膝(がいはんしつ)といい、両側性の場合をX脚とよぶ。これに対して、下肢が外方へ凸に彎曲したものを内反膝、両側性の場合をO(オー)脚とよぶ。X脚は、くる病、骨軟化症、先天梅毒などでもおこるが少なく、おもに虚弱性体質の小児や肥満児など、下肢の筋力が弱い場合にみられることが多い。このような小児は、歩くと疲れやすく、転びやすいのでわかる。食事に注意し、積極的に筋力を増強することで治癒する。また、膝部の外傷や疾患の後遺症として外反膝をおこすことがある。この場合は片側性であることが多く、K脚となる。原因疾患の治療が必要で、矯正手術を要することもある。なお、成人の場合はいくらかX脚の傾向があり、生理的には大腿(だいたい)骨と脛(けい)骨は約174度外側に開く角をなしており、この角度がさらに小さくなった場合に病的となる。
[永井 隆]
両下肢をそろえてひざを合わせた際に左右の足関節部(くるぶしの部分)が離れ,全体としてX字形をとるひざの変形をいう。小児は3~4歳以降は生理的に軽度のX脚であるが,これが異常に,目立つ程度に強くなったものがX脚変形である。O脚変形と同様に,下肢骨の骨端線軟骨の発育に異常を生ずるような病気,すなわちくる病や先天性の骨異形成が小児期以後に現れたときに,病的なX脚変形が起こる。治療もO脚変形と同様で,ある程度以上の変形は,外見上の問題のほかに,将来膝関節の痛みの原因ともなるので,手術による矯正が行われる。これには,骨切り術によって直ちに矯正する方法と,骨端線の外側部にかすがいを打ち込んでその発育を抑制して変形を矯正する方法とがある。
執筆者:吉川 靖三
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「O脚」のページをご覧ください。
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