ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キジバト」の意味・わかりやすい解説
キジバト
Streptopelia orientalis; oriental turtle dove
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ハト目ハト科の鳥。全長約33cm。全体にぶどう色を帯びた薄い褐色をしていて,上面には赤みのある褐色のうろこ模様がある。翼は暗褐色。首の両側に濃い青色と白色の縞模様があるのが特徴。くちばしは黒っぽく,脚は暗赤色。ウラルおよびパミール以東のアジア大陸に広く分布している。日本では北海道から沖縄の先島諸島まで分布しており,ヒヨドリとともに日本でもっとも分布の広い鳥の一つ。北日本のものは冬季は南へ移動する。山地から平地までの林,人里,さらに市街地にも多くすんでいる。樹上に粗雑な皿型の巣を小枝でつくる。都市部では人家の庭木や街路樹に巣をかけるものが多い。卵は白色無斑で,1腹の卵数はほとんどつねに2個。繁殖期は2~11月と長く,年3回の繁殖を行うものも少なくない。パッパッパッとはばたいて上空へ上がり,翼を開いて滑空して下りてくる飛び方は,繁殖期の求愛ディスプレーの一つとしてよく見ることができる。デデーポーポーと太い低い声でよく鳴く。昔からヤマバトの名で親しまれてきた。果実,種子などを好んで食べ,しばしば昆虫類も食べている。
執筆者:柳沢 紀夫
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鳥綱ハト目ハト科の鳥。ウラル山脈より東のユーラシアに広く分布し、北方のものは南へ渡って越冬する。日本では、北海道から八重山列島(やえやまれっとう)まで繁殖しているが、北海道のものは、冬には南下してしまう。平地や低山の林に多く、ヤマバト(山鳩)の別名で親しまれている。全長約33センチメートル、体重200~300グラム。全体に赤みを帯びた灰色で、風切(かざきり)と尾は黒みが強い。肩と雨覆(あまおおい)の羽には、赤褐色の縁どりがありキジに似ているので、この名があるといわれている。尾の先端には淡青灰色の帯があり、飛ぶと目だつ。頸(くび)の両側に黒と淡青灰色の横縞(よこじま)模様があり、雌雄間のディスプレーのときに誇示される。おもに地上に落ちた草の種子、木の実を拾って食べる。木の枝に粗末な巣をつくり、2卵を産む。雌雄が交代で抱卵する。都会の街路樹にも巣をかけるが、造巣中または抱卵中になんらかの妨害を受けると、巣を捨てることが多い。巣の近くで羽音をたてながら急上昇し、翼と尾を広げた一見タカに似た飛翔(ひしょう)形で滑空するディスプレー飛行をすることが多い。町の中の民家にも飛来し、なれるとまったく人を恐れなくなる。狩猟鳥である。ヨーロッパには、やや小形の近縁種で英名を単にturtle doveというコキジバトS. turturが分布している。
[竹下信雄]
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…カンムリバト亜科はニューギニア地方特産で,カンムリバト属Gouraの3種だけからなり,オオハシバト亜科はサモア島特産のオオハシバト1種だけを含む。 日本にはカラスバトColumba janthina,リュウキュウカラスバトC.jouyi,オガサワラカラスバトC.versicolor,シラコバトStreptopelia decaocto(イラスト),ベニバトS.tranquebarica,キジバトS.orientalis(イラスト),キンバトChalcophaps indica,アオバトSphenurus sieboldii,ズアカアオバトS.formosaeの9種が分布するが,小笠原諸島特産のオガサワラカラスバトと琉球諸島特産のリュウキュウカラスバトは絶滅した。これらによく似たカラスバトは伊豆諸島や西南日本の離島に分布し,全身光沢を帯びた紫黒色の大型のハトである。…
※「キジバト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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