デジタル大辞泉
「擬」の意味・読み・例文・類語
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ぎ‐・する【擬】
〘他サ変〙 ぎ・す 〘他サ変〙
① それでないものをそれに見立てる。なぞらえる。たとえる。
※
万葉(8C後)一七・三九六七・
題詞「聊擬
二談咲
一耳」
※
河海抄(1362頃)一「光大臣伊周公を光源氏に擬すなどいふ一義もあるか」
② まだ決まっていないことをあらかじめ当てはめる。仮に当ててみる。仮定する。
※
今昔(1120頃か)九「此は此、勘当して過に擬せる五人と書けり」
※金刀比羅本保元(1220頃か)下「各
(おのおの)存じの旨有らば、子細を奏聞して
聖断を仰ぐべき処に、私に
諍論(しゃうろん)をいたさむと擬
(ギ)し、武士巷に充満する由、天聴を驚かし、叡聞に及ぶ」
③ まねる。似せる。
※
太平記(14C後)二四「
釈尊の十大弟子に擬して、
扈従(こしゃう)の
(よそほひ)厳重なり」
※文明論之
概略(1875)〈
福沢諭吉〉一「故に今鉄橋石室を以て
西洋に擬するは易しと雖ども」
④ 当てがう。さし当てる。つきつける。押し当てる。
※
兵範記‐保元三年(1158)二月二九日「殿下御盃按察使給
レ之、被
レ擬
二右府殿
一、右府殿賜
二権中納言
一」
もどかし・い【擬】
① 非難すべきである。気にくわない。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「
かたちよりはじめ、交らひたるさまなど、もどかしきところなく」
② 思うようにならないで心がいらだっている。はがゆい。じれったい。
※宇津保(970‐999頃)内侍督「
中将、いでやもどかしうこそあれ〈略〉と聞ゆるほどに」
もどかし‐が・る
〘他ラ五(四)〙
もどかし‐げ
〘形動〙
もどかし‐さ
〘名〙
もどかわし もどかはし【擬】
※
三河物語(1626頃)三「しうと成時は、人をもどかわしく思ひ、臣と成時は、人にもどかるるならい成」
まねぎ・る【擬】
〘他ラ四〙 ある形をまねる。かたどる。なぞらえる。
※大日経治安二年点(1022)三「手を擬(マネキリ)て上さまに指す」
もどかし【擬】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報