小説家、劇作家。朝鮮元山(げんざん/ウォンサン)に生まれる。青山学院中等部卒業。長谷川伸(はせがわしん)に師事。直木賞候補作を収録した『先駆者の旗』(1940)、『颶風(ぐふう)の門』(1941)は、北方を舞台とした異色作である。下男の献身美を描いた『上総風土記(かずさふどき)』(1940)で第12回直木賞受賞。戦後派的なエピキュリアンの色彩をもって、小次郎の屈折した青春を造型した『佐々木小次郎』全3巻(1950~51)で、文壇の位置を不動にした。『加賀騒動』(1951)、『次郎長三国志』(1952)、水戸光圀(みつくに)の一代記『水戸黄門』四部作(1956~62)、『五彩の絵図』(1974)など佳作。1965年(昭和40)NHK放送文化賞受賞。
[山崎一穎]
『『村上元三文庫』全9巻(1954・講談社)』▽『『村上元三選集』全6巻(1966・徳間書店)』▽『『水戸黄門』全8冊(講談社文庫)』▽『『五彩の絵図』『大久保彦左衛門』(中公文庫)』▽『『佐々木小次郎』上下(講談社・大衆文学館)』
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…また2代にわたる梅沢昇(初世はのちに竜峰と改名)や,金井修,浅香新八郎,沢村国太郎らは,それぞれに一座を組み,全国の大衆演劇の大半が剣劇といえるほどの時代さえあった。そして〈ちょんまげ〉の任俠の徒の争闘を主題として義理人情をからませた長谷川伸,行友李風(ゆきともりふう),原巌,村上元三,佐々木憲らの作家がこれに好適の脚本を提供し,戦時色の深まるとともに剣劇はますます盛んに行われた。第2次世界大戦後は民主思想の発達に伴い一時は急速に影を薄めたが,昭和20年代の後半にはまたかなり行われるようになった。…
※「村上元三」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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