(読み)ボン

デジタル大辞泉 「梵」の意味・読み・例文・類語

ぼん【梵】[漢字項目]

[音]ボン(呉)
バラモン教の最高原理。ブラフマン。「梵天梵我一如ぼんがいちにょ
仏教に関する物事に付ける語。「梵妻梵鐘梵刹ぼんせつ
サンスクリット。「梵語梵字梵讃ぼんさん
難読梵論ぼろ梵論字ぼろんじ

ぼん【×梵】

《〈梵〉brahmanの音写から》
インドバラモン教における最高原理。世界創造の根本原理。ブラフマン。
梵天1を神格化したもの。仏教に取り入れられ、守護神の一となった。
清浄・神聖なもの。

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精選版 日本国語大辞典 「梵」の意味・読み・例文・類語

ぼん【梵】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ( [梵語] brahman の音訳をした梵磨、梵覧磨などの略 ) バラモン教における最高原理で、世界創造の根源。ブラフマン。
    2. ( [梵語] brāhmaṇa の音訳 ) バラモン。また、バラモン教の聖職者。
    3. 清浄・神聖なもの。そのような世界を梵世界という。〔大智度論‐一〇〕
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] ( [ 一 ]が仏教にとり入れられたもの ) 仏教守護の梵天をいう。色界の初禅天に住するとされた。
      1. [初出の実例]「其の時に、諸の天人・魔・梵・沙門・婆羅門等、皆悉く樹の下に充ち満てり」(出典:今昔物語集(1120頃か)一)
    2. [ 二 ] インド(天竺)のこと。また、インドのサンスクリット語のこと。

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普及版 字通 「梵」の読み・字形・画数・意味


11画

[字音] ボン・ハン
[字訓] きよらか

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(凡)(ぼん)。〔説文新附〕六上に「西域の釋書より出づ。未だ義を詳らかにせず」という。梵語brahmanの音訳、離煩清浄の意であるという。仏教の音訳語で、梵天・梵唄のように用いる。

[訓義]
1. きよらか。
2. 木に吹く風の音。
3. 梵梵は、さかんなさま。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕梵 キノカゼヲエタル

[熟語]
梵家・梵閣・梵楽・梵学・梵気梵夾梵偈梵磬・梵語梵刹・梵師・梵字・梵衆・梵処・梵書梵唱・梵鐘・梵僧・梵梵帙・梵殿・梵衲・梵唄・梵貝・梵坊・梵林・梵輪
[下接語]
暁梵・香梵・晨梵・清梵・夜梵・幽梵

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「梵」の解説

ぼん【梵】

福井日本酒。酒名は、「けがれなき清浄」「真理をつく」の意のサンスクリット語に由来し、英語「born」(誕生)にもかけて命名。全量無添加の純米酒で、平均精米歩合は40%以下。最上級ブランド「超吟」は精米歩合21%の5年熟成大吟醸酒。ほかに大吟醸酒「夢は正夢」「極秘造大吟醸」など。原料米は五百万石、山田錦。仕込み水は白山連峰の伏流水。蔵元の「加藤吉平商店」は万延元年(1860)創業。所在地は鯖江市吉江町。

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改訂新版 世界大百科事典 「梵」の意味・わかりやすい解説

梵 (ぼん)

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百科事典マイペディア 「梵」の意味・わかりやすい解説

梵【ぼん】

ブラフマン

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デジタル大辞泉プラス 「梵」の解説

福井県、合資会社加藤吉平商店の製造する日本酒。純米大吟醸酒「超吟」「団」などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「梵」の意味・わかりやすい解説


ぼん

ブラフマン

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旺文社世界史事典 三訂版 「梵」の解説


ぼん

ブラフマン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「梵」の意味・わかりやすい解説


ぼん

「ブラフマン」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【インド神話】より

… ベーダの一部門であるブラーフマナ(祭儀書)文献においては,造物主プラジャーパティPrajāpati(〈子孫の主〉の意)が最高の創造神となり,彼による種々の創造神話が説かれた。しかし,しだいに最高原理ブラフマン(梵)の重要性が認められるようになり,ブラフマンによる宇宙創造が説かれるようになった。ブラーフマナ文献中にはまた,祭式の解釈と関連して,かなりまとまった形の神話が散見される。…

【ブラフマン】より

…宇宙の根本原因を表す,インド哲学のきわめて重要な術語の一つ。梵と音写される。インドにおいては,早くも前1200年ころを中心に編纂されたといわれる《リグ・ベーダ》において,宇宙の最高神または根本原因の探求が開始された。…

※「梵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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