デジタル大辞泉 「褐」の意味・読み・例文・類語 かつ【褐】[漢字項目] [常用漢字] [音]カツ(漢) カチ(呉)〈カツ〉1 粗い毛で織った衣服。「褐寛博」2 黒ずんだ茶色。「褐色・褐炭」〈カチ〉かち色。濃い藍色。「褐布かちぬの」 かち【▽褐】 1 濃い藍色あいいろ。かちいろ。かつ。かちん。2 襲かさねの色目の名。表裏ともに萌葱もえぎ色。3 ウサギの毛で織った織物。兎褐とかち。「錦の袋に入れたる一つと、―の袋に入れたる一つ」〈宇津保・俊蔭〉 かちん【▽褐】 《「かち」の音変化》「かち(褐)1」に同じ。「―の直垂ひたたれに小桜を黄に返したる鎧よろひ着て」〈保元・上〉 かつ【褐】 1 粗い毛で織った衣。2 濃い藍色あいいろ。かち。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「褐」の意味・読み・例文・類語 かち【褐】 〘 名詞 〙① あらい毛織物。かつ。〔史記‐劉敬伝〕② 毛織りに似せた粗布。③ =かちぎぬ(褐衣)[初出の実例]「各々皆着二競馬装束一、或又かちにさしぬき、着二打懸一」(出典:殿暦‐康和四年(1102)六月一日)④ =かちいろ(褐色)①[初出の実例]「かちの衣著たる男ども燈したり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)祭の使) かつ【褐】 〘 名詞 〙① =かち(褐)①② =かちいろ(褐色)①[初出の実例]「一色に長絹(ちゃうけん)の直垂を著る時は、褐(カツ)の布袴をきせ、一色に繍物(ぬひもの)の直垂を著(きる)時は、赤(あかき)袴をきせ」(出典:源平盛衰記(14C前)一) かちん【褐】 〘 名詞 〙 「かち(褐)」の変化した語。[初出の実例]「三位中将、その日の装束にはかちんに白う黄なる糸をもて、群千鳥繍うたる直垂に」(出典:高野本平家(13C前)九) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
普及版 字通 「褐」の読み・字形・画数・意味 褐常用漢字 13画(旧字)14画 [字音] カツ[字訓] わたいれ[説文解字] [字形] 形声声符は曷(かつ)。〔説文〕八上に「(あさ)をみたる(くつ)なり。一に曰く、粗衣なり」とあり、靴たびや粗衣の類をいう。あらい毛織の衣を着たものを褐寛博(かつかんはく)といい、どてら風のふだん着である。仕官することを「を釋(ぬ)ぐ」という。褐色の意は、麻の布の色である。[訓義]1. あらいぬの、あらいぬのの衣、くつたび、あさの衣。2. けおりの衣、わたいれ、ぬのこ。3. いやしく貧しい人。4. 褐色、かちいろ、かち。[古辞書の訓]〔名義抄〕 ムマキヌ・ツヅル 〔字鏡〕 ムマキヌ・ツツリ・ツルハミ・ウヘキヌナリ・カチ[熟語]褐衣▶・褐巾▶・褐衾▶・褐色▶・褐博▶・褐夫▶・褐父▶・褐綾▶[下接語]衣褐・解褐・壊褐・裘褐・巾褐・褐・褐・褐・釈褐・毳褐・素褐・粗褐・草褐・脱褐・短褐・褐・茶褐・長褐・破褐・馬褐・敗褐・皮褐・被褐・敝褐・麻褐・毛褐・野褐 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報 Sponserd by