こまち‐もの【小町物】
- 精選版 日本国語大辞典
- 〘 名詞 〙 小野小町の伝説に取材した能楽、浄瑠璃、歌舞伎作品や歌謡などの総称。謡曲の「草子洗小町」「卒都婆小町」など。
く‐に【×垢×膩】
- デジタル大辞泉
- あかとあぶら。「後に負へる袋には、―の垢付ける衣あり」〈謡・卒都婆小町〉
じょうえ【浄衣】 の 袴((はかま))
- 精選版 日本国語大辞典
- 白い布でつくった袴。[初出の実例]「浄衣の袴かい取って」(出典:謡曲・卒都婆小町(1384頃))
いっけん【一見】 卒塔婆((そとば))永離三悪道((ようりさんあくどう))
- 精選版 日本国語大辞典
- 一度、卒塔婆を見ただけでも、永久に地獄、餓鬼、畜生の三悪道の苦しみからのがれることができるという意味。[初出の実例]「さて卒塔婆の功徳はいか…
そう‐ほう〔サウ‐〕【霜×蓬】
- デジタル大辞泉
- 霜が降りて白くなった蓬よもぎ。生気のない、乱れた白髪のたとえにいう。「頭かうべには―を戴き」〈謡・卒都婆小町〉
さむら・う〔さむらふ〕【▽候ふ/▽侍ふ】
- デジタル大辞泉
- [動ハ四]《「さぶらう」の音変化》「そうろう」にあたる、中世の女性語。多く補助動詞として用いる。…でございます。「小野の小町が成れる果てにて…
いろ【色】 が 深((ふか))い
- 精選版 日本国語大辞典
- 恋の道によく通じている。[初出の実例]「いや小町といふ人は、あまりに色が深うて、あなたの玉章(たまずさ)こなたの文」(出典:謡曲・卒都婆小町(13…
もんじゅ【文殊】 の 知恵((ちえ))
- 精選版 日本国語大辞典
- すぐれてよい知恵。すばらしい考え。「三人寄れば文殊の知恵」[初出の実例]「提婆(だいば)が悪も観音の慈悲、槃特(はんどく)が愚痴も 文殊の智慧」(…
さまや‐ぎょう(‥ギャウ)【三摩耶形・三昧耶形】
- 精選版 日本国語大辞典
- 〘 名詞 〙 =さんまやぎょう(三摩耶形)[初出の実例]「夫そとばは金剛薩埵、かりに出化してさまやぎゃうを行ひたまふ」(出典:車屋本謡曲・卒都婆…
ろうじょ‐もの〔ラウヂヨ‐〕【老女物】
- デジタル大辞泉
- 老女をシテとする能。「関寺小町」「檜垣ひがき」「姨捨おばすて」「鸚鵡小町おうむこまち」「卒都婆小町そとばこまち」の5曲をさす。特に「関寺小町…
卒都婆小町 そとばこまち
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
- 能の曲名。四番目物 (→雑物 ) 。各流現行。観阿弥作。ところは摂津の国阿倍野。ときは9月 (不定とも) 。高野の聖 (ワキ) が,都へ上る途中,卒都婆に…
そとばこまち【卒都婆小町】
- 精選版 日本国語大辞典
- 謡曲。各流。四番目物。観阿彌作。古名「小町」。高野山の僧が都近くで卒都婆に腰かけた乞丐(こつがい)の老女をとがめて卒都婆の功徳を説き、逆に論…
そとわこまち【卒都婆小町】
- デジタル大辞泉
- ⇒そとばこまち
卒都婆小町 (そとばこまち)
- 改訂新版 世界大百科事典
- 能の曲名。流派により〈そとわこまち〉〈そとわごまち〉とも読む。四番目物。老女物。観阿弥作。シテは老後の小野小町。高野山の僧(ワキ)が,道端…
おうむこまち(アウムこまち)【鸚鵡小町】
- 精選版 日本国語大辞典
- 謡曲。三番目物。観世・宝生・金剛・喜多流。作者未詳。老女物の一つ。老いて零落した小野小町を扱ったもの。「檜垣」「姥捨」「関寺小町(せきでらこ…
ぞく‐とう【粟豆】
- 精選版 日本国語大辞典
- 〘 名詞 〙 ( 「そくとう」とも ) あわとまめ。[初出の実例]「あすの餓ゑを助けんと、粟豆の餉(かれひ)を、袋にいれて持たるよ」(出典:謡曲・卒都婆…
高橋進 たかはしすすむ
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
- [生]1902.1.1. 茨城,下妻[没]1984.10.19. 東京,文京宝生流,シテ方の能楽師。塚田勝美の三男だが,高橋頼治の養子となる。近藤乾三に師事し,のち…
ろうじょ‐もの(ラウヂョ‥)【老女物】
- 精選版 日本国語大辞典
- 〘 名詞 〙 謡曲で老女をシテとするもの。「檜垣(ひがき)」「姨捨(おばすて)」「関寺小町(せきでらこまち)」「卒都婆小町(そとばこまち)」「鸚鵡小町…
卒都婆小町【そとばこまち】
- 百科事典マイペディア
- 能の曲目。四番目物。五流現行。観阿弥作。シテは100歳に及び乞食(こじき)となって放浪する小野小町。高野山の僧との舌戦,昔の述懐,百夜通いの果て…
きょうじょ‐いろなしおうぎ(キャウヂョいろなしあふぎ)【狂女色無扇】
- 精選版 日本国語大辞典
- 〘 名詞 〙 能楽の小道具の一つ。老人の狂女が主人公のときに用いる特殊な扇。黒骨の中啓(ちゅうけい)であるが、表には松川菱、鉄仙花、柳、鷺(さぎ)…
卒都婆小町 〔長唄〕 そとうばこまち
- 歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典
- 歌舞伎・浄瑠璃の外題。演者杵屋六三郎(4代)初演文政5.11(江戸・森田座)
そとばこまち【卒都婆小町】
- デジタル大辞泉
- 謡曲。四番目物。観阿弥作。卒都婆に腰を掛けて高野山の僧にたしなめられた老女小野小町が、狂乱の体となり、百夜通いのありさまを再現する。そとわ…
卒都婆小町 そとばこまち
- 日本大百科全書(ニッポニカ)
- 能の曲目。四番目物。五流現行曲。観阿弥(かんあみ)の作。劇的な波瀾(はらん)に満ちた狂女物で、老女物として重く扱われる。高野山(こうやさん)の僧…
こい‐づか(こひ‥)【恋塚】
- 精選版 日本国語大辞典
- 〘 名詞 〙 恋の苦しみに耐えかねて、または恋愛沙汰の犠牲となって死んだ人を葬った塚。特に、京都の鳥羽にある袈裟御前(けさごぜん)の墓をさすこと…
かんあみ〔クワンアミ〕【観阿弥】
- デジタル大辞泉
- [1333~1384]南北朝時代の能役者・能作者。観世流の始祖。伊賀の人。名は清次きよつぐ。世阿弥の父。大和猿楽やまとさるがくに曲舞くせまいなどの…
かざ‐お・る(‥をる)【風折】
- 精選版 日本国語大辞典
- 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙 立烏帽子(たてえぼし)の頂辺を、風に吹き折られたような形状に斜めに折る。風折烏帽子(かざおりえぼし)にする。かぜおる…
だいば【提婆】 が 悪((あく))も観音((かんのん))の慈悲((じひ))
- 精選版 日本国語大辞典
- 提婆の悪逆と観音の慈悲とはまったく異なったように見えるが、仏果を得る点では同様であること。[初出の実例]「逆縁なりと浮かむべし。提婆が悪も、…
はんどく【槃特】 が 愚痴((ぐち))も文殊((もんじゅ))の知恵((ちえ))
- 精選版 日本国語大辞典
- 仏の前には知者も愚者も同じで、愚者も修行すれば知者と同じように悟りを得るということ。槃特も文殊も釈迦の弟子で、前者は愚者の、後者は知者の代…
こころ‐の‐はな【心の花】
- デジタル大辞泉
- 1 変わりやすい心を、花の散りやすいことにたとえた語。あだ心。「うつろふ人の―になれにし年月を思へば」〈徒然・二六〉2 美しい心を、花の美しさ…
め‐まい(‥まひ)【目眩・眩暈】
- 精選版 日本国語大辞典
- 〘 名詞 〙 ( 「目舞い」から ) 外界が動揺あるいは回転しているような感覚を総称する語。体の不安定感から回転性めまいまで多くのものが含まれる。…
田村 勇 タムラ イサム
- 新撰 芸能人物事典 明治~平成
- 職業能楽師(観世流シテ方) 生年月日明治40年 2月1日 出生地大阪府 経歴大槻十三、大槻秀夫に師事。昭和3年「清経」のツレで初舞台。「道成寺」「望…
うまれ‐・くる【生来】
- 精選版 日本国語大辞典
- 〘 自動詞 カ行変 〙 [ 文語形 ]うまれ・く 〘 自動詞 カ行変 〙 この世に生まれてくる。[初出の実例]「あらぬ世にむまれきたらん心ちのみして」(出…
葛桶 (かずらおけ)
- 改訂新版 世界大百科事典
- 能,狂言に用いる道具。〈かつらおけ〉ともいう。黒漆塗の円筒形の蓋付(ふたつき)桶で,高さは約50cm。金の蒔絵(まきえ)をほどこしたものが多い…
友枝 為城 トモエダ タメキ
- 新撰 芸能人物事典 明治~平成
- 職業能楽シテ方(喜多流) 生年月日明治5年 3月28日 出生地熊本県 経歴父に師事する。熊本を本拠とし、神事能などにも活躍。還暦祝賀能に「卒都婆小町…
なな‐こまち【七小町】
- 精選版 日本国語大辞典
- [ 一 ] 小野小町の伝説に取材した七つの謡曲の総称。草子洗小町・通小町・卒都婆小町・関寺小町・鸚鵡小町・山本小町(または雨乞小町)・清水小町を…
七小町 ななこまち
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
- 地歌・箏曲の曲名。京風手事物。光崎検校作曲。八重崎検校箏手付。作詞は船坂三 (光) 枝。小野小町を扱った7つの伝説 (草紙洗小町・通小町・雨乞小町…
おも‐ならい(‥ならひ)【重習】
- 精選版 日本国語大辞典
- 〘 名詞 〙 能楽、謡曲、狂言などの稽古で、師匠の免許を必要とする習物(ならいもの)の中で特に重要視されているもの。流儀によって多少の異同はある…
ろう‐じょ(ラウヂョ)【老女】
- 精選版 日本国語大辞典
- [ 1 ] 〘 名詞 〙① 年とった女。老婆。老婦。ろうにょ。[初出の実例]「家内に老女あり」(出典:米沢本沙石集(1283)八)[その他の文献]〔古楽府‐捉搦…
ご‐ぶつ【後仏】
- 精選版 日本国語大辞典
- 〘 名詞 〙 ( せんぶつ(前仏)②に対して ) 釈迦の滅後、五六億七千万年後に出現して衆生(しゅじょう)を救うという彌勒(みろく)をいう。[初出の実例]…
もの‐ぎ【物着】
- 精選版 日本国語大辞典
- 〘 名詞 〙① 衣服を着ること。衣服を着飾ること。[初出の実例]「粽迄都女の物着かな〈鶴英〉」(出典:俳諧・俳諧新選(1773)二)「ものきをわるくす…
桜間 伴馬 サクラマ バンマ
- 新撰 芸能人物事典 明治~平成
- 職業能楽師(金春流シテ方) 別名改名=桜間 左陣(サクラマ サジン) 生年月日天保6年 11月18日 出生地肥後国熊本(熊本県) 経歴21歳の時、熊本細川藩の…
かんあみ(クヮンアミ)【観阿彌】
- 精選版 日本国語大辞典
- 南北朝時代の能役者、能作者。名は清次(きよつぐ)。大和国(奈良県)の人。世阿彌元清の父。芸名観世。法名は観阿彌陀仏(観阿・観阿彌)。大和猿楽…
老女物 ろうじょもの
- 日本大百科全書(ニッポニカ)
- 能の用語。老女をシテとする能で、とくに重く扱われる。年齢、芸力がつり合わないと上演が許されない。老いた小野小町(おののこまち)を描く三番と、…
五流【ごりゅう】
- 百科事典マイペディア
- 能楽シテ方の五つの流派。南北朝以来の観世流・宝生(ほうしょう)流・金春(こんぱる)流・金剛流と,江戸初期以来の喜多流をさす。江戸時代には武家式…
粟谷菊生 あわやきくお
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
- [生]1922.10.31. 東京[没]2006.10.11. 東京,港喜多流,シテ方の能楽師。粟谷益二郎の二男。父益二郎,14世喜多六平太,喜多実,友枝喜久夫に師事。1…
そとば【卒都婆・卒塔婆・率都婆】
- 精選版 日本国語大辞典
- 〘 名詞 〙 ( [梵語] stūpa の音訳。頭の頂、髪の房などの義。高顕処・方墳・円塚・霊廟などと訳す ) 仏語。① 仏舎利の安置や、供養・報恩をしたりす…
そとうば【卒都婆・卒塔タフ婆・率都婆】
- 精選版 日本国語大辞典
- 〘 名詞 〙 =そとば(卒都婆)
武田 太加志 タケダ タカシ
- 新撰 芸能人物事典 明治~平成
- 職業能楽師(観世流シテ方) 肩書日本能楽会会員 本名清水 多賀志(シミズ タカシ) 生年月日明治40年 10月10日 出生地東京・神田 経歴昭和2年、観世流…
四番目物【よばんめもの】
- 百科事典マイペディア
- 能の曲柄。雑能とも。五番立ての正式番組による催能の場合,四番目に演ぜられる能で,初・二・三・五番目以外の能。現行92番。鬘(かつら)物に近い準…
卒都婆 そとば
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典