精選版 日本国語大辞典 「取出」の意味・読み・例文・類語
とり‐い・ず ‥いづ【取出】
[1] 〘他ダ下二〙
① =とりいだす(取出)①
※竹取(9C末‐10C初)「文を書きおきてまからん。恋しからん折々、取いでて見給へ」
② =とりいだす(取出)②
※枕(10C終)四〇「白樫といふものは〈略〉をかしきこと、めでたきことにとりいづべくもあらねど」
③ 引きいだす。事を引きおこす。
[2] 〘自ダ下二〙
① 勢いよく出発する。いでたつ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
とり‐だ・す【取出】
〘他サ五(四)〙
① 取って出す。あるものの中から取って、外に出す。選び出す。とりいだす。
※清原国賢書写本荘子抄(1530)一「請伴に師曠 恵子をとりたすぞ」
[補注]よみの明らかでない例は「とりいだす」と読むことも考えられる。
とり‐で【取出】
〘名〙
① ものなれないこと。しはじめたばかりであること。また、その人。かけだし。しんまい。
※浮世草子・好色二代男(1684)一「漸漸取出(トリデ)の男は、ふられて其儘捨ず」
② 人気の高まっていること。売り出していること。売出し。
とう・ず とうづ【取出】
① とり出す。ひき出す。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「さうぞきおかれたる琴(こと)どもをとうでさせて」
② 産む。
とり‐いだ・す【取出】
〘他サ四〙
① そこにあるものを取ってだす。持ちだす。外にだす。とりだす。とりいず。
※栄花(1028‐92頃)衣の珠「絹どもとりいたさせ給て、等身の仏たちを数知らずあらはさせ給」
② 多くの中から引き出す。掲げだす。とりいず。
※源氏(1001‐14頃)帚木「まことのうつはものとなるべきをとりいださむには難かるべしかし」
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