アネハヅル(その他表記)Grus virgo; demoiselle crane

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アネハヅル」の意味・わかりやすい解説

アネハヅル
Grus virgo; demoiselle crane

ツル目ツル科。全長 85~100cm。立ったときの頭の高さがおおよそ 76cmで,ツル類中最小。顔から頸部は黒く,前頸部の羽毛は飾り羽になって上胸部に重なるように伸びている。眼の後方からも後頭部に伸びる白い飾り羽がある。頭上,後頸部,背,尾,胸腹部は灰白色は風切が黒く,雨覆は灰白色。三列風切と腰の羽毛は長く,蓑毛状に伸びる。脚は黒色の先半分は赤みを帯び,基部半分は黄色。ウクライナからシベリア南部,モンゴル,北東アジア西部にかけて繁殖分布し,アフリカスーダン周辺とパキスタンからインドミャンマーに渡って越冬する。渡りのときに一部はヒマラヤ山脈を越えることが知られている。ほかのツル類と違い,草原や半砂漠で繁殖する。日本には,ごくまれに少数が渡来する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アネハヅル」の意味・わかりやすい解説

アネハヅル
あねはづる / 姉羽鶴
demoiselle crane
[学] Anthropoides virgo

鳥綱ツル目ツル科の鳥。比較的小形の美しいツルで、動物園などでよく飼育されている。全長約90センチメートル。背面はスレート灰色をしており、顔、のど、前頸(ぜんけい)、頸側は黒く、目の後方に白色房状の飾り羽がある。黒海からモンゴルまでのアジア中央部と北アフリカの草原で繁殖する。冬期は東アフリカ、中近東、南アジアに渡る。日本では迷鳥。広い草原、原野、畑などにすみ、主として穀物種子を食べ、昆虫類その他の小動物を食べることもある。水辺から遠くない草地の地上に営巣する。1腹の卵は通常2個。動物園でも繁殖する。

[森岡弘之]


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小学館の図鑑NEO[新版]鳥 「アネハヅル」の解説

アネハヅル
学名:Anthropoides virgo

種名 / アネハヅル
目名科名 / ツル目ツル科
解説 / ユーラシア大陸の中央部の乾燥地帯で繁殖し、インドにわたります。草の根などを食べます。
全長 / 95cm
食物 / 草の葉、芽、種子、根、昆虫、魚
分布 / モンゴル高原中東、インド、アフリカ
環境 / 湿原水田、草原

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世界大百科事典(旧版)内のアネハヅルの言及

【ツル(鶴)】より

…熱帯や南半球のものは留鳥だが,北半球の高緯度地方で繁殖する種は,冬季南へ渡って越冬する。日本では,タンチョウ(イラスト)が北海道に留鳥としてすみ,マナヅル(イラスト),ナベヅル(イラスト),クロヅル,カナダヅル(イラスト),アネハヅル,ソデグロヅルの6種が冬鳥または迷鳥として渡来している。 全長70~150cm。…

※「アネハヅル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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