ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウミバト」の意味・わかりやすい解説
ウミバト
Cepphus columba; pigeon guillemot
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ケイマフリに似た中型のチドリ目ウミスズメ科の鳥。カムチャツカ半島,チュコート半島,千島列島,アレウト列島,北アメリカ大陸北西海岸などで繁殖し,冬はやや南下する。日本には冬鳥として渡来するが数は少なく,おもに北日本の海上に見られる。全長約33cm,夏羽では全体が暗灰黒色で,雨覆いは白くて2本の黒線がある。くちばしは細くて先がとがり黒色,脚は赤色。冬羽では体の上面は灰黒褐色,翼は灰黒色で雨覆いは白くて2本の黒線があり,体の下面は汚白色の地に褐色の細かい横斑がある。岸近くの海上で生活し,とくに岩のある海上によくいる。水に潜っては魚やイカを食べる。岩の隙間などの地上に直接産卵する。1腹の卵数は2個,雌雄ともに抱卵し,抱卵日数は約21日。
執筆者:高野 伸二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
広義には鳥綱チドリ目ウミスズメ科ウミバト属に含まれる鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種をさす。同属Cepphusは北半球の寒流域に生息し、ケイマフリ、ウミバト、ハジロウミバトの3種が知られている。ハジロウミバトC. grylleは全長34センチメートル。大西洋北部に生息している。種としてのウミバトC. columbaは全長33センチメートル。夏羽では全身黒色、冬羽では全体が灰色で、ともに翼には白斑(はくはん)があり、足は赤い。ベーリング海を中心に東はカリフォルニア、西は千島列島までの沿岸、列島沿いに分布し、離島などの岩礁や崖地(がけち)で繁殖している。日本では冬鳥として渡来し、北海道で少数がみられる。
[柳澤紀夫]
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