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イギリス,スコットランド北東沖にある諸島。ローマ時代の呼称はオルカデスOrcades。約70の島からなり,総面積974km2,人口2万(2006)。本土とは最狭部で幅10kmのペントランド湾によって分離され,主島のメーンランド(ポモナ)島のほか,ホイ島,サンデー島,ウェストレー島など約20の島に住民がいる。ホイ島を除いて全般に低平で,肥沃な砂質ロームがおおい,また海洋性の温和な気候のため,集約的農業が営まれ,肉牛,鶏卵,羊毛,大麦などを本土へ送り出す。漁業はエビが中心で,海草加工やウィスキー醸造もみられる。近年,北海のパイパー油田からのパイプラインが南部のフロッタ島まで建設され,石油基地となっている。諸島内にはイベリア系航海民による石器時代の遺跡もあるが,その後ピクト族が定住,875年から1231年まではノルウェー国王下のバイキング領主が支配した。のちデンマーク王の手をへて1472年にスコットランド領となり,1889年にオークニー州が創設された。州都はメーンランド島中央部のカークウォールKirkwallで,市内にはノルマン風のセント・マグヌス大聖堂がある。
執筆者:長谷川 孝治
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イギリス、スコットランド北東端沖合いに分布する約70の島々。本島とはペントランド海峡で隔てられる。スコットランドの一行政区画をなし、面積990平方キロメートル。人口は1万9245(2001)で減少傾向にあったが、近年、北海油田開発の一基地となり、人口はやや増から横ばいの状態である。沖合い油田からのパイプラインの終点の一つとなっている。最大の島はメーンランド島Mainland(ポモナ島Pomonaともいう。518平方キロメートル)で、ほかにおもな島としてはホイ島Hoy(137平方キロメートル)、サンデー島Sandayなどがある。デボン系の旧赤色砂岩によって構成される。最高点は南西部のホイ島のワード丘(145メートル)である。ホイ島を除き、低平で湿地が広がり、樹木はほとんどみられない。近年家畜(ウシ、ブタ、ニワトリ)の飼養が増え、漁業も盛んである。島々には先史時代の遺跡もあり、1468年まではノルウェー人の支配下にあった。
[小池一之]
『藪内芳彦著『島――その社会地理』(1972・朝倉書店)』
…こうした自然のため不毛地が広く,粗放的牧羊とエンバクの栽培がみられるにすぎない。またヘブリディーズ諸島など周辺島嶼も漁業と牧羊を中心とする過疎地域であったが,北海油田の開発に伴ってシェトランド諸島,オークニー諸島には原油基地が建設され,地域開発が推進されている。(2)中部 南北を断層線で画された低地帯で,スコットランドの政治・経済の中心地をなす。…
※「オークニー諸島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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