日本大百科全書(ニッポニカ) 「コンゴウインコ」の意味・わかりやすい解説
コンゴウインコ
こんごういんこ
macaw
鳥綱オウム目オウム科に属する鳥のうち、嘴(くちばし)が巨大で尾が著しく長い特徴をもつ19種の総称。中央・南アメリカ産の、オウム目中で特大形のインコ類である。また、種子食であるが、その巨大な嘴で堅い木の実を割ることで知られる。コンゴウインコ属Ana15種は顔部が嘴に続き広く裸出し、大形の7種は体長85~90センチメートル、小形の8種は30~60センチメートルである。大形種のうち、中央・南アメリカ産のコンゴウインコA. macao、ブラジル産のルリコンゴウA. ararauna、メキシコから南アメリカ産のミドリコンゴウA. militaris、南アメリカ産のベニコンゴウA. chloropteraなどが著名で、熱帯林の高木や高いヤシなどに止まり、その洞に営巣し、雌雄は長くともに生活する。スミレコンゴウ属Anodorhynchus3種には、全長100センチメートルと本類中最大でブラジル産のスミレコンゴウA. hyacinthinusが含まれる。残る1種はブラジル産の希種アオコンゴウCyanopsitta spixiiである。
[黒田長久]