翻訳|gold
アメリカの小説家、ジャーナリスト。本名アイツォク・グラニッチ。ユダヤ系移民を父としてニューヨークの貧民街に生まれ、夜警や工員など底辺の労働者生活を経てコミュニストになる。若くして左翼文芸誌『リベレイター』の編集に参加、1926年『ニュー・マッセズ』創刊以後は編集幹部を務め、プロレタリア文学の旗手として活躍した。自伝的長編小説『金のないユダヤ人』(1930)は、スラム街に住むユダヤ系移民たちの生活苦を愛情豊かな目で描いている。ほかに労働者生活のスケッチ集『一億二千万』(1929)、評論集『世界を変えろ!』(1937)など。
[大浦暁生]
『高橋徹訳(抄訳)『金なきユダヤ人』(『全集・現代世界文学の発見4 亡命とユダヤ人』所収・1970・学芸書林)』
アメリカのユダヤ系小説家。オハイオ州クリーブランドに生まれる。コロンビア大学で学士、修士課程を終え、フランスのソルボンヌ大学にフルブライト奨学金で留学。その後、大学講師として各地を転々とし、かたわら作家生活を志向する。代表作『父たち』(1967)は、帝政ロシア期ポグロム(大虐殺)の恐怖のなかでユダヤの信条を守り続けた曽祖父(そうそふ)、祖父の生涯に始まり、13歳で無一文で渡米し不動産業者として成功する父の一生を通して、一ユダヤ系移民の系譜をたどりながらアメリカの社会史を描く。ほかに、中年弁護士の自己発見の過程を描く処女作『英雄の誕生』(1951)、ニューヨークの若者の風俗を描いた『塩』(1963)、大学紛争をモチーフにした『アメリカ的成功』(1970)、新しい夫婦関係を描いた『彼/彼女』(1980)、自伝『わが過ぎし二千年』(1972)など多数。
[大津栄一郎]
『大津栄一郎訳『父たち』(1973・白水社)』▽『宮本陽吉訳『彼/彼女』(1984・新潮社)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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