サークル活動(読み)サークルかつどう

精選版 日本国語大辞典 「サークル活動」の意味・読み・例文・類語

サークル‐かつどう‥クヮツドウ【サークル活動】

  1. 〘 名詞 〙 同じ事柄についての興味趣味を持つ人々が集まって研究鑑賞などを行なうこと。
    1. [初出の実例]「文芸講演会開催、サークル活動などに努力することだけで」(出典:中野重治論‐晴れた時間(1946)〈荒正人〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サークル活動」の意味・わかりやすい解説

サークル活動
さーくるかつどう

なんらかの文化的、社会的な欲求を充足することを目的にして、自発的につくられた小集団であるサークルcircleの活動。この活動は、社会や組織が大きくなり、人間関係が疎外される状況になると、人間性を回復したり、情緒的な不安定性を解消したりするばかりでなく、社会運動などの活力を底辺から支えたり、学習効果を高めたりする機能をもつ。普通は、個人を単位として参加し、趣味・娯楽からスポーツ、文化創造、思想、学習、実用的知識や技術の修得、あるいは政治的要求の実現まで多様な領域にわたる。この活動は、地域、職場、学校などで展開されるが、労働組合政党、大規模な組織などの集団に比べて、より少人数親密・緊密な人間関係を維持することができることが特色である。この特色が十分に発揮されるときには、この活動が目的とする個々の欲求の充足・実現をもたらすとともに、活動参加者の人間形成にも影響を与えることが期待できる。

 第二次世界大戦後の日本のサークル活動は、1950年(昭和25)ごろまでを第1期とする。敗戦の空虚感と解放感から自然発生的に組織化され、とくに職場サークルはこの時期最盛期であった。第2期は60年ごろまでで、抑圧された人間性の回復を目ざす新しい活動が展開され、生活綴方(つづりかた)などの生活問題が中心であった。その後は、職場の近代化・管理化、農村サークルの衰退、大衆社会状況での小集団の趣味化などにより、活動が著しく停滞した。かわって、1980年代以降、大学進学者の増加等による「大学の大衆化」の結果学生運動の衰退に逆比例するように、相互に自由で楽しさとおもしろさを求めようとする、大学内におけるグループ活動が盛んになってきた。

[似田貝香門]

『思想の科学研究会編『共同研究 集団サークルの戦後史』(1976・平凡社)』『神谷国善編著『サークル活動の理論と実践』(1984・新日本出版社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サークル活動」の意味・わかりやすい解説

サークル活動
サークルかつどう
circle activity

第2次世界大戦前は,労働運動や政治運動のなかで,組織の拡大や大衆の掌握の手段として行われたが,戦後,自立的な学習小集団 (サークル) の学習を目的とする独特の活動として,大衆運動のなかから自然発生的に生れた。今日では,社会教育の重要な学習形態の一つとして,計画的,組織的に活用されている。

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