しゃっくり

百科事典マイペディアの解説

しゃっくり

主として横隔膜,ときに他の呼吸補助筋の強直性痙攣(けいれん)により,声門が開いて音を発する現象。一定間隔で繰り返され,多くは自然に消失する。熱いものや刺激物をのみこんだり,食道や胃腸の障害によって起こるが,縦隔疾患,尿毒症脳腫瘍(しゅよう)などが原因になることもある。一般に,呼吸を止めたり,急に驚かせたり,冷水をのんだり,舌を引っぱったり,胃部に湿布を当てたりすれば治る。特に難治の場合は,鎮痙(ちんけい)剤投与,横隔膜神経切断などによる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

しゃっくり【hiccup】

横隔膜の痙攣(けいれん)によって生じる異常呼吸の一つで,吃逆(きつぎやく)ともいう。横隔膜が突発的に収縮して,急速に息を吸い込み,その途中で声門が閉じるために,特有な音を発する。横隔膜の運動に関係する神経反射で起こるために意志でコントロールすることは難しい。その神経反射は迷走神経第6~12胸髄の交感神経,および横隔神経の知覚枝が求心路であり,これを延髄の呼吸中枢が受け,横隔神経運動枝が遠心路となっている。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

しゃっくり
しゃっくり

主として横隔膜のけいれんによっておこる症状で、急な吸気がおこり、空気が声門を通るとき、声門がけいれんして閉じるため、特有な音を発する現象である。熱いものを飲んだときなど、まったく病気と関係なくおこることは実際に経験されることであるが、腹腔(ふくくう)臓器の疾患では、しばしば横隔膜が刺激されておこってくる。脳腫瘍(しゅよう)、脳血管障害、脳圧亢進(こうしん)、尿毒症、糖尿病などの場合、横隔膜神経の中枢が刺激されて、頑固なしゃっくりがおこることがある。一般に自然に止まることが多く、無害とされているが、当人にとってはかなり不快であるため、冷水をすこしずつ飲んだり、呼吸をできるだけ長く止めたりといった種々の民間療法がくふうされている。腹膜炎や開腹手術のあとなどにおこる場合は危険な徴候とされ、医学的にも治療の対象となる。[渡辺 裕]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のしゃっくりの言及

【呼吸】より

…化学的調節因子のうち動脈血のO2分圧,CO2分圧,pHは頸動脈小体,大動脈小体の化学受容器を介して,髄液のpHの変化は延髄腹面の中枢性化学受容性領野の関与によって呼吸運動に影響し,血中の性ホルモンも影響する。しゃっくりは横隔膜の痙攣(けいれん)性収縮によって起こる発作的呼吸運動であり,声門が閉じているので奇妙な発声と特有な感覚が生ずるが,呼吸調節系の異常によって起こると推測されてはいるものの,発現のメカニズムは不明である。 身体の運動を行うとき,運動開始とともに換気量は著しく増加する。…

【民間療法】より

… 第2の物理的療法には摩擦,圧迫,刺激,加熱,加湿,冷却など,主として力を加えるものと熱によるものとがある。冷却には神仏をまつってある場所の湧水で眼を洗う,息をしないで冷水を椀1杯のむとしゃっくりが止まるなどがあげられる。火傷にへちまの水をつけ,豆腐をつぶしてはるなどもこれに近く,ヒルムシロの葉を充血したまぶたにはるのも同じことであろう。…

※「しゃっくり」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

夏至

二十四節気の一つであるが,二至 (夏至,冬至) ,二分 (春分,秋分) の四季の中央におかれた中気。夏至は太陰太陽暦の5月中 (5月の後半) のことで,太陽の黄経が 90°に達した日 (太陽暦の6月 ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

しゃっくりの関連情報