日本大百科全書(ニッポニカ) 「スコットランド石」の意味・わかりやすい解説
スコットランド石
すこっとらんどせき
scotlandite
第一鉛の亜硫酸塩鉱物。1984年スコットランド、スザンナSusanna鉱山産の標本から発見された。最初の亜硫酸塩鉱物。セレン置換体のモリブドメナイトmolybdomenite(化学式Pb[SeO3])は同構造であるが、これは亜セレン酸塩鉱物として別扱いされるため、スコットランド石は系列を構成しない形で扱われる。自形はc軸方向に伸びた槍(やり)~鏨(たがね)様の柱状をなし、これが放射状あるいは扇状集合を形成する。熱水鉱脈型鉛鉱床の酸化帯に産する。日本での産出は未報告。共存鉱物は緑鉛鉱、硫酸鉛鉱、白鉛鉱、方鉛鉱、石英など。命名は原産地のあるスコットランドに由来する。
[加藤 昭]
[参照項目] |
| | | | | | | | [補完資料] |