翻訳|stool
背もたれとひじ掛けのない実用的な腰掛け。3~4脚の脚をつけたものと,X脚のものに大きく分けられる。エジプトの古王国時代にはすでにこれらの基本形があった。ギリシア人はエジプトの形式を継承し,X脚の折畳み式のものは公的生活に,四脚式のものは家庭や学校などの日常生活に使用した。ローマ時代にもX脚の折畳み式は皇帝や執政官の公的な座具となり,家庭では四脚式のものが使われた。中世にはオーク材の座板と2枚の側板,それを貫(ぬき)で補強したものが食卓用の腰掛けとして用いられた。17世紀以後椅子が広く市民に普及するようになると,スツールは化粧テーブル用の腰掛け,足をのせるためのフット・スツール,ホールやギャラリーの窓際に置かれるウィンドー・シート,またピアノ用の腰掛けといった,使用目的が明確に限定された座具に変わってきた。一方,プリアンpliantとよぶ豪華な装飾をつけたX脚の折畳み式スツールは,ルイ14世の宮廷で国王からそれに座る特権を授けられた貴婦人専用の座具で,ベルサイユの宮廷婦人たちのあこがれの腰掛けであった。ルイ15世の時代には,カブリオールとよぶ優雅な曲線の脚が採用され,大きなパニエ型のスカートを着用した宮廷婦人の腰掛けとして広く使用された。
執筆者:鍵和田 務
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…英語のチェアchairは背もたれとひじ掛けを備えた座具のことで,17世紀ごろまで王侯・貴族や領主など社会的地位のある人たちが使う権威のいすを意味し,スツールなどの実用的な腰掛けとは明確に区別されてきた。いすは自己の権威を部族の人たちに誇示し,権力者として他より高い位置とふさわしい姿勢を保持するために生み出されたものと思われる。…
※「スツール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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