セチルアルコール(読み)せちるあるこーるでーたのーと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セチルアルコール」の意味・わかりやすい解説

セチルアルコール(データノート)
せちるあるこーるでーたのーと

セチルアルコール
CH3(CH2)15OH
分子式C16H34O
分子量242.4
融点49.5℃
沸点189.5℃(15mmHg)
比重0.8105(測定温度60℃)

セチルアルコール
せちるあるこーる
cetyl alcohol

炭素16個が直鎖状に結合した高級アルコール1-ヘキサデカノールともいう。欧米では照明用の油を得るために多量のクジラを捕獲したが、セチルアルコールはクジラから得られる鯨ろう主成分の一つで、これから調製された。白色固体で、アルコールやエーテルなどの有機溶媒には溶けるが、水には溶けない。常圧で蒸留すると分解する。軟膏(なんこう)の基剤として医薬品などに用いられてきた。この硫酸エステルのナトリウム塩は洗剤として利用される。

[徳丸克己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セチルアルコール」の意味・わかりやすい解説

セチルアルコール
cetyl alcohol

ヘキサデシルアルコールともいう。化学式 C16H33OH 。炭素原子数 16個の直鎖飽和アルコールで,マッコウクジラ鯨油脂肪酸エステルとして他の高級アルコールエステルとともに存在する。融点 49℃,沸点 190℃ (15mmHg) 。酸化するとパルミチン酸を生成する。油に添加した場合,吸水性を増すので,特に洗浄性軟膏,化粧クリームなどに用いられる。

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