ソラリゼーション(読み)そらりぜーしょん(英語表記)solarization

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソラリゼーション」の意味・わかりやすい解説

ソラリゼーション
solarization

写真撮影で過度の露出から起こる画像反転現象。たとえば,太陽を写し込んだ写真フィルム現像すると,ネガ陰画)上で黒くなるべき太陽が透明または灰色になることがある。これはいったんできた潜像が,さらに与えられた過度の露光のために破壊されるのが一因と考えられている。写真作画に取り入れられるソラリゼーションフォトと一般に呼ばれる特殊技法は,これとはまったく異なるもので,普通に撮影したフィルムを途中まで現像して水洗いし,全面に適度な白光をあてた(第2露光)のち,再び現像して定着すると,局部的に反転画像が得られるサバチエ効果を利用した作画技法である。カラーフィルムでは第2露光に各種の色光を用い,特別な効果を得ることができる。デジタルカメラではソラリゼーションのような効果が得られる機能をもつ機種もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソラリゼーション」の意味・わかりやすい解説

ソラリゼーション
そらりぜーしょん
solarization

写真フィルムの感光現象の一つで、転じて写真表現の手法としても知られる。フィルムが光に当たると、その露光量が多いところほど現像によって黒さが強くなるのが通常であるが、必要以上(たとえば1万倍以上)に露光量が過大となると、その部分の黒さは限界を超え、逆に黒さが減少していく反転効果を呈するようになる。この現象をソラリゼーションとよぶ。

 一方、フィルムは通常の現像処理中にその現像をいったん中止し、拡散した光を当てたのちに現像を再開すると、その仕上がり画像は部分的な反転効果を呈する。この効果は発見した人の名をとってサバチエ効果というが、その画像効果がソラリゼーションに似ているところから、サバチエ効果による写真表現手法をソラリゼーション・フォトとよぶことが多い。写真家マン・レイらによる名作が歴史的に知られている。

[小池恒裕]

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