デジタル大辞泉
「ぞ」の意味・読み・例文・類語
ぞ[五十音]
「そ」の濁音。歯茎の有声破擦子音[dz]と母音[o]とから成る音節。[dzo]
[補説]清音「そ」に対する濁音としては、本来、歯茎の有声摩擦子音[z]と母音[o]とから成る音節[zo]が相当するが、現代共通語では一般に[dzo]と発音する。しかし、[zo]とも発音し、両者は音韻としては区別されない。古くは[ʒo](あるいは[dʒo][dzo])であったかともいわれる。室町時代末には[zo]と発音され、近世江戸語以降[dzo]と発音された。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ぞ
- [ 1 ] 〘 係助詞 〙 ( 「そ」とも。→語誌 )
- [ 一 ] 文末用法。
- ① 体言、活用語の連体形、副助詞などを受けて、指定的に強調し、聞き手に働きかける。
- [初出の実例]「八千矛の 神の命 萎(ぬ)え草の 女にしあれば 我が心 浦渚(うらす)の鳥叙(ゾ)」(出典:古事記(712)上・歌謡)
- 「吾が衣摺れるにはあらず高松の野辺行きしかば萩の摺れる曾(ソ)」(出典:万葉集(8C後)一〇・二一〇一)
- 「かれは何ぞとなんをとこに問ひける」(出典:伊勢物語(10C前)六)
- ② 一体言だけからなる文を受けて指定的に強調する。同様の構造のものを畳みかける場合は、並列効果が生ずる。中世以後の用法。
- [初出の実例]「年をいひて年にしたがひて、太郎そ次郎そ、わかきを五郎とさだめてちぎりをなしていふやう」(出典:法華修法一百座聞書抄(1110)三月二七日)
- 「その音におそれて、狐狸ぞなどいふ物、ここかしこより逃げ去りぬ」(出典:仮名草子・伊曾保物語(1639頃)中)
- [ 二 ] 文中の連用語や条件句を受け、指示強調する。結びの活用語は連体形となる。
- [初出の実例]「畝火山 昼は雲とゐ 夕されば 風吹かむと曾(ソ) 木の葉さやげる」(出典:古事記(712)中・歌謡)
- 「時々の花は咲けども何すれ曾(ソ)母とふ花の咲き出来ずけむ」(出典:万葉集(8C後)二〇・四三二三)
- 「枕よりあとより恋のせめくればせんかたなみぞとこなかにをる〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇二三)
- 「女は舟底にかしらをつきあてて、音(ね)をのみぞ泣く」(出典:土左日記(935頃)承平五年一月九日)
- [ 2 ] 〘 副詞助 〙 文中の疑問語を受けて不定の意を表わす。中世以後の用法。
- [初出の実例]「何事そかあって、にげて秦へきたものでぞあるらうぞ」(出典:史記抄(1477)四)
- 「どこへぞよめ入りがしたう候が」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)六)
- 「なんぞ思ひ付が有るならば、言ってみなせへ」(出典:洒落本・無駄酸辛甘(1785))
- [ 3 ] 〘 終助詞 〙 文末にあって聞き手に強く働きかける。中世以後の用法。
- [初出の実例]「別将・別は音は清でよむそ」(出典:漢書列伝竺桃抄(1458‐60)陳勝項籍第一)
- 「そんなら討つぞ」(出典:歌舞伎・一心二河白道(1698)一)
- 「こいつがまた一仕事ですぞ」(出典:夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部)
ぞの語誌
( [ 一 ]について ) 上代には濁音仮名も見られるが、清音仮名によるものの方が多い。従って、古くは清音であったが、上代から中古にかけて濁音化したものと考えられる。語源については、指示詞「其(ソ)」とするもの、「シ・ソ」と変化する指定辞とするもの、などがある。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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