ニクロム(その他表記)nichrome

デジタル大辞泉 「ニクロム」の意味・読み・例文・類語

ニクロム(Nichrome)

ニッケルクロム主体とする合金。少量のマンガン・鉄・炭素珪素なども含む。高温に耐え、電気抵抗が大きい。商標名。

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精選版 日本国語大辞典 「ニクロム」の意味・読み・例文・類語

ニクロム

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] Nichrome ) 電熱抵抗体用のニッケルクロム合金。用途により種々の組成のものがあるが、ほぼニッケル六〇~九〇パーセント、クロム一〇~三〇パーセント、鉄〇~三五パーセント、マンガン一~二パーセントから成る。一般に摂氏一二〇〇度程度までの耐熱性をもつ。

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改訂新版 世界大百科事典 「ニクロム」の意味・わかりやすい解説

ニクロム
nichrome

ニッケルとクロムをおもな成分とする合金で,おもに高温発熱体として使われている。電気抵抗が高く,耐酸化性がよいので空気中で高温に加熱して使用でき,高温で長時間使用しても性質劣化が少ない。線や帯に加工することができて,ふつう,ニクロム電熱線,ニクロム電熱帯として,家庭用の電熱器から工業用の電気炉にいたる広い範囲で,電流を流して高温を得る発熱体に使われている。ニッケル約80%,クロム約20%の第1種,ニッケル約60%,クロム約15%,鉄約25%の第2種があり,最高使用温度は第1種では約1100℃,第2種は1000℃以下である。線としては直径約0.05mmから約10mmのものがつくられている。ニッケルを含んではいないが,同様の用途に使われる合金に鉄クロムがある。
抵抗材料
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニクロム」の意味・わかりやすい解説

ニクロム
nichrome

電熱用発熱材料として使われる合金で,ニッケル Ni77~79%,クロム Cr19~20%のものが高級品で,Niを 35%程度まで減らして,鉄 Feを 55%程度まで入れたものもある。高級品は耐酸化性,高温強度とも高く,最高 1100℃まで使用できるが,Niを減らしたものは耐用温度 1000℃である。通常は線であるがリボンもある。ニクロムと類似の発熱材料に,Fe69%,Cr18~25%,アルミニウム3~6%,コバルト若干のカンタルがある。耐用温度は最高 1250℃程度で,一種の高クロムステンレス鋼である。発熱材料としては両者とも同様に使えるが,耐熱合金としては強度が不足なので使わない。ニクロム,カンタルともいまは通称であるがもとは商標名で,JISではニッケルクロム,鉄クロムとして規格している。

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百科事典マイペディア 「ニクロム」の意味・わかりやすい解説

ニクロム

主に電熱線に用いられるニッケルクロムの合金。ニッケル約80%,クロム約20%のもの,ニッケル約60%,クロム約15%,鉄約25%のものが代表的。電熱器,電気炉などの発熱体に使用。
→関連項目ニッケル合金

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化学辞典 第2版 「ニクロム」の解説

ニクロム
ニクロム
nichrome

NiとCrを主成分とし,おもに電熱材料として用いられる合金.JIS(C-2520)の一種は20質量% Cr-80質量% Ni,二種は16質量% Cr-60質量% Ni残りFeで,最高使用温度はそれぞれ約1100 ℃ および950 ℃.電気比抵抗はいずれも銅の60~70倍である.同様の電熱材料として用いられる17~26質量% Fe-2~6質量% Cr-Al合金より融点が低いため最高使用温度は低いが,1100 ℃ 以下での耐酸化性や強度がすぐれ,高温で長時間使用してもあまりもろくならず,冷間での成形加工性もよいので,線,板,帯,はくなどの形で,アイロンや電熱器などの家庭用品や工業用の抵抗発熱体として広く用いられる.

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニクロム」の意味・わかりやすい解説

ニクロム
にくろむ
nichrome

ニッケルとクロム、あるいはこれに少量の鉄を加えた合金の商品名。一般にはニッケルクロム(鉄)電熱合金の総称として用いられることが多い。この種の合金は電気抵抗率が約110マイクロオーム・センチメートルと高く、また抵抗率の温度による変化も比較的小さく、さらに高温での強さも大きく、化学的にも安定であり、そのうえ加工も容易であることなどから、電熱用抵抗体、電流調節用抵抗体などに用いられる。代表的組成はニッケル60~90%、クロム10~35%である。これに鉄を20%程度加え、低価格としたもの(ただし耐熱性はやや劣る)もある。

[及川 洪]

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