ヌカエビ(読み)ぬかえび

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヌカエビ」の意味・わかりやすい解説

ヌカエビ
Paratya improvisa

軟甲綱十脚目ヌマエビ科。体長 3cmで雌のほうが大きい。池沼や堀,河川に生息する淡水産エビで,ヌマエビに酷似する。近畿地方から本州北部に分布し,近畿地方から関東地方ではヌマエビと分布が重なる。褐色あるいは緑褐色で,額角上縁に 6~20棘,下縁に 1~5棘をもつ。額角より後方の頭胸甲上にとげがないことでヌマエビとは区別される。かつてはヌマエビの亜種とされていたが,ヌマエビ大卵型とともに別種とされた。産卵数は約 400粒である。食用とされることもあるが,釣餌としての需要が大きい。(→甲殻類十脚類節足動物軟甲類

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヌカエビ」の意味・わかりやすい解説

ヌカエビ
ぬかえび / 糠蝦
[学] Paratya compressa improvisa

節足動物門甲殻綱十脚(じっきゃく)目ヌマエビ科に属するエビ。ヌマエビの亜種とされる。体長3センチメートル。額角(がっかく)の上縁には7~20歯、下縁には1~4歯あるが、頭胸甲上には歯がない点がヌマエビと異なる。愛知県知多(ちた)半島と新潟県村上(むらかみ)市を結ぶ線より北の本州に分布する。河川、湖沼灌漑(かんがい)用水などにすみ、泥底質で水草がある場所を好む。抱卵雌は7、8月に多い。卵は長径0.6ミリメートル、短径0.4ミリメートルくらい。千葉県の手賀(てが)沼や印旛(いんば)沼などでは10月から翌年の3月まで漁獲して干しえびにする。

[武田正倫]

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