ノイラート(読み)のいらーと(その他表記)Otto Neurath

デジタル大辞泉 「ノイラート」の意味・読み・例文・類語

ノイラート(Otto Neurath)

[1882~1945]オーストリア哲学者論理実証主義立場に立ち、ウィーン学団の創立メンバーとして運動を展開した。のち、英国に亡命し、客死した。著「統一科学心理学」「経験的社会学」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノイラート」の意味・わかりやすい解説

ノイラート
のいらーと
Otto Neurath
(1882―1945)

オーストリアの哲学者、社会学者。ウィーン大学数学物理学、経済学、哲学を、ベルリン大学で現代論理学を学び、実証主義の影響下に、経済学から形而上(けいじじょう)学的要素の排除を試みるようになる。1920年代、ウィーン学団が結成されるとその中心メンバーの一人として活躍し、物理学の用語で表せない命題を退ける物理学主義を唱え、カルナップとともに左派といわれた。しかし、真理の基準については、概念間の整合性を重んずる整合説をとった。社会主義に関心が深かった。学団の解散後、オランダを経てイギリスに亡命し、そこで客死した。著書に『統一科学と心理学』(1933)、死後編集された『経験主義と社会学』(1973)などがある。

吉田夏彦

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ノイラート」の解説

ノイラート
Konstantin von Neurath

1873~1956

男爵。ナチスドイツ外相。1908年から職業外交官として各地に勤務し,32年パーペン内閣の外相就任以来,特に33~38年にはヒトラーのもとで外相として再軍備政策を中心とする外交政策を展開した。その後は無任所相,秘密閣僚会議議長の閑職にあり,39年チェコスロヴァキアの併合と同時にベーメン(ボヘミア)とメーレン(モラヴィア)の総督となる。43年いっさいの公職を辞任した。ニュルンベルク国際軍事裁判では15年の懲役刑に処せられたが,54年に釈放された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノイラート」の意味・わかりやすい解説

ノイラート
Neurath, Otto

[生]1882.12.10. ウィーン
[没]1945.12.22. オックスフォード
オーストリアの哲学者,社会学者。ウィーン学団の代表者の一人。ドイツで学び,ウィーンで M.シュリック,R.カルナップらとウィーン学団を創立したのち,1934~41年オランダに滞在,41年以降オックスフォードで活動した。論理実証主義の方法論を社会学に適用し,物理主義の立場から社会学を基礎づけた。主著『古代経済史』 Antike Wirtschaftsgeschichte (1909) ,『経験論的社会学』 Empirische Soziologie (31) ,『統一科学と心理学』 Einheitswissenschaft und Psychologie (33) ,『社会学の基礎』 Foundations of Social Sciences (44) 。

ノイラート
Neurath, Konstantin Freiherr von

[生]1873.2.2. ウュルテンベルク,クライングラットバハ
[没]1956.8.14. ウュルテンベルク,エンツバイヒンゲン
ドイツの外交官。 1922年イタリア大使,30年イギリス大使を歴任。 32年 F.パーペン内閣の外相就任以来 K.シュライヒャー内閣,A.ヒトラー内閣にも留任。 33年ナチス党に入党。 38年ヒトラーの侵略計画に反対したため外相を罷免され,39~43年ボヘミア総督,43年SS (ナチス親衛隊) 大将。 46年 10月ニュルンベルク裁判で 15年の刑を言い渡され,54年釈放。

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改訂新版 世界大百科事典 「ノイラート」の意味・わかりやすい解説

ノイラート
Otto Neurath
生没年:1882-1945

オーストリアの経済学者。また,論理実証主義の哲学者として,ウィーン学団の創設にあずかった。はじめ,マルクス主義的経済学を唱えたが,やがて,社会科学全体を物理学と同一方法による時空的経験科学とする物理主義へとおもむき,〈統一科学〉という運動を推進した。科学哲学国際会議を創始し,統一科学協会をハーグ(現在はボストンにある)に設立し,科学哲学の普及に尽くした。
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