ピオグリタゾン塩酸塩・グリメピリド配合剤（読み）ピオグリタゾンエンサンエングリメピリドハイゴウザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版

ピオグリタゾン塩酸塩・グリメピリド配合剤

製品名
ソニアスHD（武田薬品工業、武田テバ薬品）
ソニアスLD（武田薬品工業、武田テバ薬品）

チアゾリジン系薬であるピオグリタゾン塩酸塩とスルホニル尿素系薬であるグリメピリドという異なる作用機序をもつ2種の経口血糖降下剤の配合剤で、併用による血糖低下作用と治療効率の向上を期待した薬です。ただし、糖尿病治療の第一選択薬ではなく、併用による治療が適切と判断される場合に限って用いられます。

①もっとも注意しなければならないのは低血糖（脱力感、冷や汗、ふるえ、空腹感、めまい、動悸どうきなど）です。このような症状があるときは、必ず医師の診察を受けてください。

　そのほか、過敏症（かゆみや発疹ほっしんなど）、心不全の増悪・発症、むくみ、肝機能障害、黄疸おうだん、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少、横紋筋融解症、間質性肺炎、胃潰瘍の再燃などがおこることがあります。このような症状が現れたら、使用を中止して、ただちに医師に相談してください。

②血中酵素値の異常、貧血、血液異常、血圧上昇、心胸比（胸郭と心臓の比）増大、心電図異常、動悸、胸部圧迫感、顔面紅潮、吐き気・嘔吐おうと、胃部不快感、胸やけ、腹痛、腹部膨満感、下痢、便秘、食欲亢進こうしん・不振、肝機能異常、めまい、ふらつき、頭痛、ねむけ、脱力感、しびれ、息切れ、関節痛、ふるえ、急激な血糖降下に伴う糖尿病性網膜症の悪化、光線過敏症などが現れることがあります。このような症状が現れたら、医師に相談してください。

①錠剤で、1日1回1錠を朝食後に服用します。指示された服用方法を必ず守ってください。

②心不全および既往歴のある人、重症の肝・腎機能障害がある人、重症ケトーシス、手術前後、重症の外傷、下痢・嘔吐などの胃腸障害がある人、妊婦または妊娠している可能性のある人、この薬の成分またはスルホンアミド系薬剤に対して過敏症の既往歴のある人は使用できません。また、心疾患のある人、肝・腎機能障害のある人、脳下垂体機能不全、副腎機能不全のある人、栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足または衰弱状態の人、激しい運動をしている人、大量飲酒者などは、医師に相談してから用いてください。

③指示された食事療法や運動療法はきちんと続けてください。

④ピオグリタゾン塩酸塩は膀胱ガンの発症リスクを高める可能性があるので、血尿、頻尿、排尿痛などの症状が認められた場合には、ただちに受診してください。定期的に尿検査などを指示された場合は、必ず受けてください。

⑤低血糖をおこすことがあるので、自動車運転や高所作業にたずさわる人は医師に相談してください。

⑥この薬を服用中に他の薬を使用する必要が生じた場合は必ず医師に相談してください。

サリチル酸系解熱鎮痛剤、βブロッカー製剤、蛋白同化ステロイド剤、他の血糖降下剤、インスリン製剤、モノアミン酸化酵素（MAO）阻害剤などと併用すると、血糖降下剤の効果が過剰になって、低血糖がおこりやすくなることがあります。

　また、副腎皮質ホルモン剤、甲状腺ホルモン剤、卵胞ホルモン剤、利尿剤、抗結核剤のイソニアジド系製剤、フェノチアジン系の抗精神病剤、ニコチン酸系の薬などと併用すると、血糖降下剤の作用が弱まることがあります。

出典　病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版