デジタル大辞泉
「べったら市」の意味・読み・例文・類語
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べったら‐いち【べったら市】
- 〘 名詞 〙 東京都中央区大伝馬町一帯の通りで、毎年一〇月一九日から二〇日にかけて開かれる浅漬け大根の市。古くは、翌日の恵比須講(えびすこう)に用いる諸道具を売るために開かれていたが、のち、麹漬(こうじづ)け浅漬け大根を多く売るようになったところから、この名が生じた。くされいち。あさづけいち。《 季語・秋 》
- [初出の実例]「十九日の夜は〈略〉朝漬の沢庵を商ふ市立つ。これをベッタラ市といふ」(出典:風俗画報‐一〇号(1889)人事門)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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べったら市
べったらいち
東京都中央区の日本橋にある宝田恵比寿神社の 10月20日の戎講に合わせて,その前日から神社周辺の大伝馬町などに立つ市。江戸時代に始まり,もとは商家が戎講を行なうのに必要な道具やお供え物を売る市で,正月 19日夜と 10月19日夜の年 2回行なわれていた。べったら漬と呼ばれるダイコンの浅粕漬が売られることからその名があり,若者が混雑に乗じて,「べったらだー,べったらだー」などと言いながら女性の着物の袖にべったら漬をすりつけるいたずらをしたという。また,この市ではえびすにちなんで魚を売る店も多く,その匂いから「くされ市」などという呼び名もあった。第2次世界大戦時には行なわれなかったが,1947年に復活し,今日では 500軒以上もの露店の出る盛大な市となっている。19日には宝田恵比寿神社の神輿渡御もある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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べったら市 (べったらいち)
東京日本橋の大伝馬町一帯で毎年10月19日夜に開かれる市。翌20日の夷講(えびすこう)の用品を売る市で,神棚,三方(さんぼう)などのほか,近くの魚河岸から売れ残りの干魚などを持ち込んで売ったもので,〈腐市(くされいち)〉と呼ばれていた。《守貞漫稿》にはそれらのほかに,ダイコンの浅漬(あさづけ)を売るようになったことが記されており,この浅漬を〈べったら漬〉と呼んで市民が愛好したため,〈べったら市〉の名が起こった。〈べったら漬〉は生干しのダイコンをこうじ漬にしたもので,こうじがべたつくところからの俗称である。
執筆者:鈴木 晋一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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べったら市
べったらいち
10月19日(もとは旧暦)東京・日本橋の大伝馬町と小伝馬町を結ぶ街路で開かれる浅漬け大根(べったら漬け)の市。本来は恵比寿講(えびすこう)(20日)のための道具、供え物の塩鯛(だい)、恵比寿大黒(だいこく)の神像などを売る市であったが、のちにべったら漬けを売る市に変わった。盛んなころには「ホラべったら、べったら。買わないで素通りすると着物につくよ」と、人ごみのなかで振り回したり、粕(かす)のついた手で袖(そで)を引いたりした。元来は浅漬けといったが、呼び声からべったら漬けとよぶようになったといわれる。
[田原 久]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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べったら市【べったらいち】
10月19日,東京日本橋の大伝馬町付近の路上に開かれるべったら漬を売る市。江戸時代からあり,もとは旧10月19日に開かれ,夷講(えびすこう)のために夷,大黒の神像,供物の魚や野菜などを売る市であったが,次第に漬物を売る市に変わり,べったら市の名が生じた。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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