日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボルネオール」の意味・わかりやすい解説
ボルネオール
ぼるねおーる
borneol
モノテルペンアルコールの一つ。竜脳(りゅうのう)、ボルネオ樟脳(しょうのう)ともいわれ、竜脳油、ローズマリー油、ラベンダー油、シトロネラ油など多くの精油中に含まれる。ボルネオールは不斉炭素原子をもっているので3種の光学異性体が存在し、d-体はリュウノウジュ(竜脳樹)より得られ、l-体は中国産竜脳草より得られる。従来は、天然樟脳を原料として製造したのでd-体が主であったが、合成樟脳を原料とし、dl-体(ラセミ体)も得られるようになった。白色板状結晶であり、古くから薫香、墨の香料、香粧品、せっけん香料に使用されている。
[佐藤菊正]