日本大百科全書(ニッポニカ) 「メリッソス」の意味・わかりやすい解説
メリッソス
めりっそす
Melissos
(前480ころ―前400ころ)
イオニア地方サモス島出身の古代ギリシア哲学者で、エレア学派最後の人。変化は非存在からの生成か非存在への消滅であるが、パルメニデスに従って非存在は存在せずとして、「有るもの」を不変としたが、パルメニデスと異なって「有るもの」に過去と未来を許し、つねに永続すると考えた。空間上も無限とした。無限性から「有るもの」の唯一性を論証強調した。二つのものが存在すれば相互に限定しあうはずだからである。そして唯一性から「有るもの」は部分をもたず、したがって物体でないことを証明し、それが存在充実のなかにあるとして空虚を退けた。
[山本 巍 2015年2月17日]