ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラビン」の意味・わかりやすい解説
ラビン
Rabin, Yitzhak
[没]1995.11.4. テルアビブ
イスラエルの軍人,政治家。農学校で学んだあと,イスラエル国防軍の前身ハガナーの戦闘部隊で活躍。 1948年のパレスチナ戦争 (第1次中東戦争 ) ではエルサレム地域で戦い,56年にはイスラエル国防軍北部方面司令官に就任。 64年に参謀総長となり,67年の六日戦争 (第3次中東戦争) を M.ダヤン国防相とともに指揮。 68年に退役し,73年までアメリカ駐在大使。 73年 12月の総選挙でイスラエル労働党所属の国会議員に選ばれ,労相に就任。 74年6月,G.メイヤー首相のあとを継いで首相に就任。 77年5月の総選挙前の労働党党首選挙で S.ペレス国防相に党首の座を奪われ,総選挙でもリクードに敗退。 84年7月の総選挙後成立した労働党とリクードとの大連立政権では国防相に就任。 90年3月の連立政権の崩壊により,再び野党議員。 92年2月の労働党党首選挙でペレスを破り,15年ぶりに党首の座に返り咲く。6月の総選挙で第1党となり,7月に中道・左派連立政権の首相に就任。リクード政権時代に推進された占領地への入植地建設政策を見直し,またパレスチナ解放機構 PLOとの接触を禁じた反テロリスト法 (85制定) を改正。 93年9月,PLOの Y.アラファト議長との交換書簡により PLOとイスラエルの相互承認を実現,パレスチナ暫定自治協定調印に導いた。 94年中東和平での歴史的和解への道を開いたとして,ペレス,アラファトとともにノーベル平和賞を受賞。 95年 11月,テルアビブで開かれた中東和平の平和集会会場で,和平路線に反対する極右ユダヤ人青年の凶弾に倒れる。
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