日本大百科全書(ニッポニカ) 「レオンハルト」の意味・わかりやすい解説
レオンハルト
れおんはると
Gustav Leonhardt
(1928―2012)
オランダのチェンバロ(ハープシコード)、オルガン奏者、指揮者。ハーグ生まれ。スイスのバーゼルで学び、1950年ウィーンでデビュー。1955年アムステルダムに移り、アムステルダム音楽院の教授を務めつつ、同市の教会オルガン奏者も兼任。独奏、室内楽で活躍、フランス・ブリュッヘンらとともに、オランダが古楽器演奏と古い音楽の解釈法の面で指導的な位置を占めるまでにした。また1958年にはレオンハルト合奏団Leonhardt Consortを組織して指揮にあたり、古い演奏様式を可能な限り忠実に再構築した演奏を続けた。1967年のドイツ映画『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記』Chronik Der Anna Magdalena Bachではバッハ役を演じた。楽譜の校訂や研究論文など、バロック音楽の演奏研究に連なる幅広い活動を行った。
[美山良夫]
『佐々木節夫著『古楽の旗手たち――オリジナル楽器演奏のめざすもの』(2000・音楽之友社)』