日本大百科全書(ニッポニカ) 「ローソン石」の意味・わかりやすい解説
ローソン石
ろーそんせき
lawsonite
ソロ珪(けい)酸塩鉱物の一つで、四角柱状あるいは卓状の結晶をなす。長石に似ているが、光沢が強く、脂ぎってみえる。低温高圧の変成条件下でできた結晶片岩中のみに、藍閃(らんせん)石などを伴って産する。普通、非常に細かい粒で出るが、まれに長さ約5センチメートルにも達する結晶の産出がアメリカ合衆国カリフォルニア州に知られている。日本では、神居古潭(かむいこたん)変成帯中の北海道雨竜(うりゅう)郡幌加内(ほろかない)町、黒瀬川帯中の高知市周辺などから産する。化学組成変化にきわめて乏しい鉱物の一つであるが、650℃以上に熱すると、灰長石と水に分解する。アメリカの地質学者ローソンAndrew Cowper Lawson(1861―1952)にちなみ命名された。
[松原 聰]