デジタル大辞泉
「アブレーション」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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アブレーション
ablation
宇宙船が大気圏に突入する際に発する高熱から,内部の人命や装置を守るために用いられる方法の一つ。大気圏に飛込んでくる隕石は,大気との摩擦で高温になり,外側が溶けるが,一部は燃え残って地上に達する。これにヒントを得て,高温の大気に接する宇宙船の外壁,特に底面に数 cmの厚みのある特殊なプラスチック性耐熱材 (アブレータ=溶融防熱材料) を張っておく。こうすれば,大気圏突入時に外壁は約 3000℃にもなるが,高温にさらされる時間は数十秒程度であり,アブレータが融解して蒸発する間に潜熱として吸熱し,一方蒸発したガスが熱を遮断することを利用して,高熱が内部に侵入するのを防いで,乗員を安全に地球に帰還させることができる。アブレータの内側には不銹鋼のハニカム構造を用い,これが強度を受持つ。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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アブレーション
アブレーション
ablation
固体の内部は変化を受けずに,表面から失われていくこと.地球に落ちてくるいん石が,大気圏で空気との摩擦によって表面が高温になり,表面から蒸発して失われるのもこの現象である.大気圏外ロケットや人工衛星が大気圏に再突入するとき,本体を保護するため,フェノール樹脂,シリコンエラストマー,ポリ(テトラフルオロエチレン)などで表面を覆い,これらの材料のアブレーションを利用して内部を保護する.固体表面の分子・原子の気化は,強いレーザーを照射することによっても起こり,気化した分子・原子を基板上に付着させて薄膜(結晶)を作成させる方法(レーザーアブレーション:laser ablation)に応用されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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岩石学辞典
「アブレーション」の解説
アブレーション
主に熔融や蒸発を含む作用で氷が消耗すること.大部分は氷河の表面(super glacial)からであるが,氷河中(englacial)あるいは氷河下(subglacial)の場合もある[Agassiz : 1847, Charlesworth : 1957].
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
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