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アプレイウス Apuleius, Lucius

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アプレイウス
Apuleius, Lucius

[生]123頃.北アフリカ,ヌミディア,マダウロス
[没]?
ローマの著述家。カルタゴとアテネで学び,各地を旅行したのちにカルタゴと故郷のマダウロスで詩人,哲学者,修辞家として活躍。金持の未亡人プデンチラとの結婚に魔術を使ったとして訴えられたが,得意の弁舌で無罪を立証,この経過を述べた『弁明』 Apologiaは法廷弁論の見本として貴重な文献。現存する主著は小説『黄金のロバ』 Metamorphoses,『演説選集』 Florida,『プラトンの学説について』 De Dogmate Platonis,『ソクラテスの神について』 De Deo Socratis,『世界について』 De Mundoなど。

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百科事典マイペディアの解説

アプレイウス

ローマの作家。北アフリカ生れ。宗教的秘儀や魔術に興味をもつ。伝奇小説黄金のろば》(通称。原題《変身物語Metamorphoses》)は,魔法によってロバに変わった青年が女神イシスに救われるまでの冒険の物語で,〈クピドプシュケ〉の挿話を含む。
→関連項目転身物語プシュケー

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世界大百科事典 第2版の解説

アプレイウス【Apuleius】

123ころ‐?
2世紀に活躍したローマの著作家。北アフリカのマダウロスの出身で,初等教育をカルタゴで受け,のちアテナイで哲学や修辞学を学んだ。その後イタリア,ギリシア,アジアなどを広く旅し,その間に神秘宗教や魔術に接する機会があったと考えられる。ローマにもしばらく滞在したが,アレクサンドリアへの旅の途中オエア(トリポリ)の町で熱病にかかり,このとき世話を受けたのがきっかけとなって,友人シキニウス・ポンティアヌスの母親で金持ちの未亡人プデンティラと結婚した。

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大辞林 第三版の解説

アプレイウス【Lucius Apuleius】

123頃~?) 古代ローマの著述家。伝奇小説「メタモルフォセス」(通称「黄金のろば」)、特にその中の一挿話「クピドとプシケ」が名高い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アプレイウス
あぷれいうす
Lucius Apuleius
(125ころ―?)

古代ローマの文学者。ヌミディアのマダウラ(またはマダウルス)で町の有力者の家に生まれる。マダウラで初等教育、カルタゴで修辞学、アテネでプラトンの哲学を学ぶ。修学後ギリシアと小アジアを旅し、イシス信仰に傾倒する。しばらくローマで修辞学の教師、弁護士として働いたのち、アフリカに帰り、年上の裕福な寡婦プデンティッラと結婚。この結婚をめぐり、妻の親族から、魔術を用いてプデンティッラを誘惑したとして訴えられたが、得意の弁舌で反論し無罪となる。カルタゴで名をなし、皇帝礼拝の祭司として余生を送る。作品には、青年ルキウスがロバに変身し、さまざまな体験をしたのち女神イシスの力で人間に戻るまでを描いた伝奇小説『変身物語』(または『黄金のロバ』)、結婚をめぐって訴えられたときの反論『弁明』、アプレイウスの名句を集めた『フロリダ』、そのほか『ソクラテスの神』『プラトンとその教え』『世界について』が残っている。その文体は華やかで、古典的な表現と俗語が入り混じっている。作品は当時の人々に広く受け入れられた。[土岐正策]
『呉茂一・国原吉之助訳『黄金のろば』全2冊(岩波文庫)』

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世界大百科事典内のアプレイウスの言及

【黄金のろば】より

…2世紀後半にローマの作家アプレイウスによって書かれた小説。《黄金のろばAsinus aureus》の通称で知られているが,原題の意味は〈変身物語〉である。…

【ラテン文学】より

…ほかにウェレイウス・パテルクルスVelleius Paterculus,クルティウス・ルフスCurtius Rufus,フロルスなどの歴史家の名がみられる。またそのほかの散文作家には,小説《サテュリコン》の作者ペトロニウス,百科全書《博物誌》の著者の大プリニウス,《書簡集》を残した雄弁家の小プリニウス,農学書を残したコルメラ,2世紀に入って,《皇帝伝》と《名士伝》を著した伝記作家スエトニウス,哲学者で小説《黄金のろば(転身物語)》の作者アプレイウス,《アッティカ夜話》の著者ゲリウスなどがいる。 詩の分野ではセネカの悲劇のほかに,叙事詩ではルカヌスの《内乱(ファルサリア)》,シリウス・イタリクスの《プニカ》,ウァレリウス・フラックスの《アルゴナウティカ》,スタティウスの《テバイス》と《アキレイス》など,叙事詩以外ではマニリウスの教訓詩《天文譜》,ファエドルスの《寓話》,カルプルニウスCalpurniusの《牧歌》,マルティアリスの《エピグランマ》,それにペルシウスとユウェナリスそれぞれの《風刺詩》などがみられる。…

※「アプレイウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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