イッテルビウム(英語表記)ytterbium

翻訳|ytterbium

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

元素記号 Yb,原子番号 70,原子量 173.04。周期表3族,希土類元素ランタノイドの1つ。天然に存在する安定同位体にはイッテルビウム 168 (存在比 0.140%) ,170 (3.03%) ,171 (14.31%) ,172 (21.82%) ,173 (16.13%) ,174 (31.84%) ,176 (12.73%) がある。放射性同位体は半減期 53.8時間のイッテルビウム 166のほか3種が知られている。単体は金属で比重 7.01,融点約 1800℃。通常3価の陽イオンをつくる。火成岩中の含有量 4.76ppm。希土類元素中でも存在量が特に低いので,特定の用途は見出されていない。

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百科事典マイペディアの解説

元素記号はYb。原子番号70,原子量173.054。密度6.965,融点824℃,沸点1193℃。希土類元素の一つ。単体は銀白色の金属。化合物の多くは無色

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世界大百科事典 第2版の解説

周期表元素記号=Yb 原子番号=70原子量=173.04±3地殻中の存在度=3.0ppm(41位)安定核種存在比 168Yb=0.140%,170Yb=3.03%,171Yb=14.31%,172Yb=21.82%,173Yb=16.13%,174Yb=31.84%,176Yb=12.73%融点=824℃ 沸点=1427℃比重=6.977(α‐イッテルビウム),6.54(β‐イッテルビウム)電子配置=[Xe]4f145d06s2 おもな酸化数=II,III周期表第IIIA族に属する希土類元素のうちのランタノイドの一つ。

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大辞林 第三版の解説

ランタノイドの一。元素記号 Yb  原子番号70。原子量173.0。銀白色の金属。ガドリン石、サマルスキー石、フェルグソン石などの鉱物中に含まれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

周期表第3族に属する希土類元素の一つ。原子番号70、元素記号Yb。1794年フィンランドのガドリンはスウェーデン、ストックホルム郊外イッテルビーYtterbyで発見された鉱石から新元素の酸化物を分離したが、これは数種の希土類元素の混合酸化物であった。1878年にスイスのマリニャックJean Charles Galissard de Marignac(1817―1894)が純粋な酸化物を取り出し、1939年にドイツのクレムWilhelm Klemm(1896―1985)らが単体金属を得たが、これには塩化カリウムが不純物として含まれていた。純粋な金属が得られたのは1953年になってからである。酸化数+と+の化合物があり、+は無色、+は黄緑ないし緑色を呈する。合金の微量成分に使われ、レーザー光源物質への微量添加物としても使われる。[岩本振武]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (ytterbium)⸨イッテルビューム・イテルビウム⸩ ランタン系希土類元素の一つ。記号 Yb 原子番号七〇。原子量一七三・〇四。一八七八年、スイスのマリニャックが発見。銀白色の金属で、ヨウ素、臭素、テルルなどと化合物をつくる。ガドリン石、ゼノタイムなどに含まれる。〔稿本化学語彙(1900)〕

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化学辞典 第2版の解説

Yb.原子番号70の元素.電子配置[Xe]4f 146s2の周期表3族ランタノイド元素.希土類元素イットリウム族の一つ.原子量173.04(3).質量数168(0.13(1)%),170(3.04(15)%),171(14.28(57)%),172(21.83(67)%),173(16.13(27)%),174(31.83(92)%),176(12.76(41)%)の7種の安定同位体と,質量数148~181の放射性同位体が知られている.希土類の分離は困難なため,この元素の発見は,1843年にC.G. Mosanderがガドリン石(旧名Ytterbite)から酸化物テルビアとして見いだした後,次々に新しい元素の酸化物に分割が進み,最終的に1907年にC.F.Auer von Welsbach(ウェルスバッハ)とG. Urbain(ユルバン)が独立に純粋な元素の分離に成功するまでの長年月を要した.その間にイッテルビウムが元素名として使われていたので,混乱を防ぐためにネオイッテルビウムとされたが,1925年にIUPACがイッテルビウムと決定した.
地殻中の存在度2.2 ppm.ガドリン石,ゼノタイムなどの鉱物中に存在し,純金属はYbCl3-NaCl混合融解塩の黒鉛槽中での電解で得られる.密度6.965 g cm-3(立方最密),6.54 g cm-3(体心立方).融点824 ℃,沸点1193 ℃.標準電極電位 Yb3+/Yb-2.22 V.第一イオン化エネルギー6.254 eV.塩基性は希土類中でも弱い.酸化数2,3.普通,三価で化合物をつくるが,電解により Yb2+ も得られる.空気中では Yb2+ は Yb3+ に酸化される.二価の化合物は,イオン半径が Sr2+ と似ているため,硫酸塩の溶解度が小さい.化合物は反磁性である.三価の化合物は,ほかの希土類元素と同様の性質を示す.Yb3+ は無色で常磁性である.光学レンズ用添加剤としての利用のほか,非破壊検査用のγ線源に169Ybが使われている.[CAS 7440-64-4]

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