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イブン・ルシュド Ibn Rushd

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世界大百科事典 第2版の解説

イブン・ルシュド【Ibn Rushd】

1126‐98
西方イスラム世界の代表的な哲学者,医学者。ラテン名はアベロエスAverroesコルドバに生まれ,マラケシュで没。マーリク派法学者の家に生まれて法学・哲学・医学の研究を重ね,1182年ムワッヒド朝カリフアブーヤークーブユースフの宮廷医師およびコルドバの大カーディー(裁判官)となり,指導的な学者として権勢を誇った。しかし,その息子ヤークーブ・アルマンスールがカリフになると,ザーヒル派法学者が力を得て,イブン・ルシュドはしだいに宮廷内で力を失い,一時コルドバ郊外に隠棲したが,晩年に再度君主の寵を回復し,マラケシュの宮廷に仕えた。

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All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

世界大百科事典内のイブン・ルシュドの言及

【アラビア科学】より

…それはアラビア世界が東西から政治的に圧迫されつつも,なおその科学文化の最後の光芒を放つ晩期である。この時期を代表する学者として3人をあげれば,イブン・ルシュド(ラテン名アベロエス)とナシール・アッディーン・アットゥーシーイブン・ハルドゥーンであろう。イブン・ルシュドは,12世紀にアリストテレスの著作の全貌がようやく西欧世界にわかりかけてきたときに,すでに膨大なアリストテレス注釈を書き,ラテン世界にアベロエス派なるものをつくり出して甚大な影響を与え,近代科学思想の形成に大きく貢献した。…

【アンダルス】より

…プラトン哲学をもたらしたユダヤ教徒イブン・ガビロールは《生命の泉》を,イブン・バーッジャは《孤独者の療法》を著した。アンダルスの生んだ最大の哲学者でアリストテレスの注釈者イブン・ルシュド(アベロエス)は,哲学と宗教の調和を図ると同時に,哲学擁護の書として《矛盾の矛盾》を著した。彼の書はラテン語に翻訳され,トマス・アクイナスをはじめ中世ヨーロッパの哲学・思想に大きな影響を与えた。…

【イスラム哲学】より

…スンナ派の神学者ガザーリーは,《哲学者の矛盾》を著してイブン・シーナーらの哲学者の説の主要部分を分析批判し,あわせてシーア派神学の根拠を論破しようとしている。ガザーリーの哲学批判以後スンナ派世界では,イベリア半島のイスラム教国におけるイブン・ルシュドのアリストテレス研究を除いて,あまりみるべき業績がなくなった。イブン・シーナーによってイスラム哲学における存在論の独自性が確立されたといえる。…

【二重真理】より

…しかしやがて人間理性の自然性と自存性が自覚されるに及んで両者の矛盾が意識され,哲学が神学から分かれるようになる。二重真理説はこの過渡的段階に現れたもので,アラビアの哲学者イブン・ルシュド(アベロエス)とその弟子シジェ・ド・ブラバン,後期スコラのドゥンス・スコトゥス,オッカムなどにみられる。その際,理性の能動性と受動性,〈必然的な命題〉と〈偶然的な命題〉について議論が深まったことは西洋哲学史上重要な成果であった。…

※「イブン・ルシュド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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